現状分析と将来の見通し

直面している経済的な事象として、日本の為替が乱高下しているという現象があります。これは、多くの人々にとって直感的に理解するのが難しいかもしれませんが、その中心的な原因は海外との金利差にあります。今回は、この問題を深堀りし、その原因と将来の見通しについて詳しく見ていきたいと思います。

低成長が続いている

日本は、1990年代から続く低成長の状況に対処するために、長期間にわたり超低金利、金融緩和政策を維持してきました。日本銀行の金利は0%近くにとどまり、一部の期間ではマイナス金利さえ導入されました。この政策は、経済活動を刺激し、デフレ脱却を目指すものです。しかし、一方で、世界の他の主要な経済圏では、インフレ対策に伴い、金利が上昇しています。アメリカやヨーロッパなどでは顕著で、インフレリスクへの対策として金利を急激に引き上げる動きが見られます。この結果、日本と海外との間に大きな金利差が生まれ、それが為替レートに影響を及ぼしているのです。

金利差があるから

具体的には、投資家は常に利益を最大化することを目指しています。そのため、高金利の国々への投資は、より高いリターンを提供する可能性があるので高金利へと資金は流れます。低金利の日本から高金利の国へと流れる原因はココにあります。この資金の流出は、円の売り圧を高め、結果的に円の価値を下げています。こうした動きが、日本の為替の乱高下を引き起こしているのです。

今後は

新しい日銀総裁(植田氏)が就任後3ヶ月超が経ちました。そろそろレッテルを貼られる時期です。「何もしない総裁」と言われそうな雰囲気が漂っています。そのような記事もメディアに出るようになりました。そのため、7月末の金融政策決定会合で路線変更が決定されるのかに注目が集まっています。個人的にはあまり期待できないと感じていますが、メディアでは「路線変更するかも」という期待値の高いコメントを掲載しています。

まとめ

為替が業績に直結するビジネスはこの為替乱高下によって経営が大きく影響されており、売り上げが増えても利益が出ない可能性も出てきました。これほど短期間で乱高下する年も珍しいのではないでしょうか。金利面から見れば円安傾向は止まりません。そのためコストアップインフレも続きます。どこで着地点を見つけるのか気になるところです。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆