ABLとは

この10年間で企業が資金を調達する種類は増えています。企業側にとっては選択肢が増えているのでメリットです。たとえば、在庫担保融資ABLが出たときは目新しさと使いやすさがある調達だと感じました。

ABL(Asset Based Lending)
企業が保有する売掛金や在庫(製品・商品等)などの資産を担保にした融資(貸出)

https://mba.kobe-u.ac.jp/business_keyword/7966/

特徴が出てきた

そんな在庫担保融資の中に特別なものも出てきました。ウイスキーの醸造所への長期融資で原酒を担保とするケースです。しかも原酒の将来価値で評価をするところがユニークです。資金調達をしたのは、大分県のウイスキークラフトメーカー。もともと酒販店事業をしていた企業が「2021年2月にウイスキーの製造免許を取得し、久住蒸溜所を設立。ウイスキークラフトメーカーとして」スタートしたようです。ウイスキーはスタート当初の売り上げがありません。ニッカウヰスキーも当初は売り上げがなくシードルを製造販売していたと記憶しています。そのためこうした資金調達は有効。また日本のウイスキーは海外で人気。他のエリアですが、地方ウイスキーメーカーの業績が好調だと聞いています。そのため、期待値も高く、将来価値も高くなるのでしょう。

ウイスキー担保、長期融資 三井住友リースが実行
原酒の将来価値を評価

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO73869740U3A820C2EE9000/

まとめ

クラフト系のアルコール飲料は、クラフトビールに始まり、最近ではクラフトジンが目立つようになりました。今後はクラフトウイスキーも目にする機会が増えるのでしょうか。輸出の成功事例としてクラフトウイスキーが出てくれば、さらに広がると感じます。お酒は「飲まない方がかっこいい」という価値観の広がりもあり部分的に逆風になっています。少量のアルコールでも健康には良くない、という論調もあり、減少している反面、クラフトウイスキーのような拡大するような市場も出てくると感じます。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆