信号機の数
信号機の数って全国でいくつあるのでしょうか。実は、
◆全国で21万基
もあります。その信号機にも区分けがあるのをご存知ですか。オンラインとオフラインです。遠隔で監視や操作ができる信号機はオンライン信号機。できない信号機はオフライン信号機。さて、どちらが多いでしょうか。実際の数は下記の通りです。
・オンライン信号機:遠隔監視できている:7万基
・オフライン信号機:遠隔監視できていない」14万基
という構成なのです。デジタル化が遅れている世界。
オンラインとオフライン
オフラインだと停電すると消灯したまま。遠隔で再稼働はできません。そのため警察官が駆けつけて復旧するしかないのです。街の信号機が一斉に止まってしまったらどうでしょうか。復旧に時間がかかるのは想像できると思います。通常だと
・復旧に平均2時間
かかるそうです。時間がかかるケースだと4時間復旧までに要します。
そこで信号機メーカーのオムロンが解決策を考えました。あることを思いついたのです。信号機装置の遠隔監視という改良版を普及させるのではなく、稼働状況がわかる監視システムを開発してしまおう、と考えたのです。他メーカーの信号機にも設置できる(販売できる)タイプの遠隔監視システムの開発です。この発想に注目です。他社の市場も部分的に飲み込んでしまう戦略だからです。
価格設定もサブスクにして初期導入費を低減。一気に市場を占有するスタイルです。警察にも評価され、このシステムは賞も取っているようです。
企業文化
こうした開発ができるのも企業文化です。オムロンという会社は
・チャレンジ文化
がもともとある会社です。鉄道会社の自動改札機はオムロンの作品です。自動改札機の開発は社内でも「できません」の連続だったらしい。社長室で社長と開発者が「開発しなさい」→「これはできません」のやりとりを何度もしたそうです。なので、あの自動改札機はそんな苦労の連続の作品なのです。(あえて作品と表現します)
まとめ
今回の信号機の遠隔監視システムも苦労があったかもしれません。難易度の高い仕事にあえてチャレンジするオムロンは他より一歩先に行くので当然ですが収益率も高いです。「他ができないことをする」「他たできないことに立ち向かう」という文化は強いですね。
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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆