「フィット」を考える3つの要素

ビジネスの世界で「フィットする」とは何を意味するのでしょうか。企業やチームにとって、新しいメンバーを迎え入れる際や、新しいプロジェクトを始める際に考慮すべき「フィット」の要素は3つ存在します。それはビジョンフィット、カルチャーフィット、スキルフィットです。それぞれについて詳しく解説します。

ビジョンフィット

ビジョンフィットとは、個人の価値観や目標が組織のビジョンやミッションと一致していることを指します。企業やチームが目指す方向性や価値観が、新しいメンバーやパートナーと共有されている場合、協力して目標に向かって努力することが容易になります。ビジョンフィットが高いと、組織全体の一体感や向き合う方向が明確になることから、長期的な成功に繋がりやすくなります。ただ、ビジョンが一致しているのかを見極めるのには時間がかかります。仕事をしながら、プロジェクトを進めながら相手のビジョンを知っていくことになるからです。

カルチャーフィット

カルチャーフィットは、組織の文化や価値観と、個人の性格や行動様式が合致していることを意味します。たとえば、企業がフレックスタイムを推奨するカジュアルなカルチャーを持っているのに対して、フォーマルな環境を好む人が入ってきた場合、カルチャーフィットが低くなります。他にも、昭和カルチャーとそれ以外に分けられるかもしれません。昭和カルチャーの人は適合しないケースは多くなっていますが、こうした文化的側面の適合は仕事を一緒にするときには大切。よって、カルチャーフィットが高い場合、職場のコミュニケーションが円滑になり、チームの一体感が向上します。

スキルフィット

スキルフィットは、一番直接的でわかりやすいフィットの要素です。これは、個人の持つ技術や能力が、求められる業務内容やポジションに適しているかどうかを示します。スキルフィットが高い場合、即戦力として活躍することが期待され、研修や教育の時間を短縮することができます。ただ、企業が成長している場合は当初はスキルフィットしていたが、会社の成長に合わせることができず時間の経過とともにスキルフィットしなくなるケースがあります。DX化はその代表的な例になるかもしれません。DXのスキルに適合しない場合はスキルフィットしないと判断されるようになるでしょう。

まとめ

企業やチームが新しいメンバーを迎え入れる際や、新しいプロジェクトを立ち上げる際には、これら3つのフィットを総合的に考慮することが非常に重要です。それぞれの要素が高いほど、組織の成果や生産性が向上する可能性が高まります。逆に、いずれかのフィットが低い場合、将来的なトラブルや摩擦の原因となる可能性も考えられます。ですので、組織としての「フィット」を高めることは、長期的な成功への鍵となります。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆