人口減少でもプラス面が

人口減少が続いていますが、最終的には、こんな時代が到来します。それは「人口爆縮の時代」。今まで何度も取り上げていますが、労働人口の減少というマイナス面ばかりに目を向けてきました。しかし、この現象はマイナスの面だけでなく、大きなプラスの面も持っていると感じています。プラスマイナスの両面から見た方が良さそうです。その内容を解説していきます。

人手不足の中での抜擢

プラス面のポイントは、人手不足による「若手抜擢」が発生することです。20代、30代が前面に出て活躍する機会が増えるはずです。どうしても担当する人が限られるので、プロジェクトの主要メンバーを若手がやることになるのです。実は、この現象は過去にも見られたものでした。かなり過去のことになりますが、それは「高度経済成長期」です。

成長期が再来するか

高度経済成長の時代、あまり注目されていない事実があります。それは、多くの若手が大きなプロジェクトを任され、イキイキとその任務に取り組んでいたことです。新しいアイディアや熱意で業務に当たり、多くの成果を生み出していました。当時の映像を見てもらうとわかりますが、大きなプロジェクトも実務を仕切っているのは若手なのです。経済が成長するときなので、リーダーが不足。若手に仕事が任されていたのです。

この状況が、今の時代にも再び訪れる可能性が高いと考えています。人口減少は、新しい時代の到来を示しているかもしれません。それは「若手のチャンスが広がる時代」です。

若手の活躍が成長を加速

この点に気がついた企業こそ、競争優位を築き、成長していくのではないでしょうか。若手の力を信じ、彼らにチャンスを与えることで、新たなイノベーションやアイディアが生まれ、企業の発展を後押しすることができると思います。実は評論家の中に日本の停滞はリーダーの平均年齢が上がったことではないか、と言っている人もいます。最近、大手自動車メーカーのデザインも良くなっているのは、若手抜擢になったからだという意見も見たことがあります。大手企業の若手抜擢が日本の起爆剤になる可能性があるのです。

まとめ

人口爆縮の時代は、決して暗い未来だけを示しているわけではありません。若手のエネルギーと熱意が、新たな時代を築いていく鍵となるでしょう。この変化を前向きに受け入れ、新しいチャンスを最大限に生かしていくことだと感じます。

人口爆縮、一人二役の時代

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO74713650V20C23A9TCR000/

——————————-
スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆