ここはあまり関係ない
生産性について考えたとき、生産性を向上させる要因を思いつきます。その中で生産性向上に大きく貢献する内容もあれば、意外にも貢献しない内容もあります。今回は、あまり生産性に関係しない事柄を取り上げたいと思います。
それは、
・競争
です。
競争は、ビジネスを向上させる要因だと考えられています。競争原理が適正にはたらくことで企業が成長するのは疑いもありません。競争が成長を加速するときもあるからです。しかし、生産性の向上には、ほぼ関係がない。競争が激しくなると生産性が向上するということはないのです。それはなぜでしょうか。
競争になると
確かに競争は激化してくると
・価格競争
になってきます。コスト低減ができるコストリーダーシップの企業が勝者となります。では、トップ企業の生産性は高いのでしょうか。実はそうではありません。価格競争により、かえって生産性が下がるときもあるのです。価格競争にともない広告宣伝費などのマーケティングコストも上昇することは予想できます。シェアを拡げる戦略ではよく使われる手段です。圧倒的なシェアを確保するまでは、消耗戦を繰り広げるため収益性は下落、生産性も落ちていくのは過去が証明しています。
生産性向上は
生産性向上は、あくまでも時間当たり、1人当たりなどの収益の増加です。そのために有効な手段は単純で
・新しいことを取り入れる
だけです。人財、設備、技術(テクノロジー)、といったことを他社より先に導入することで生産性が向上していきます。競争が激しいときは、新しいことを試す時間がないほど、競争にエネルギーを使っているため生産性が向上しないのです。そうなると、競争も適度な状態がベストで過度な競争はマイナス要因にもなりえます。
まとめ
生産性向上と競争の関係は意識しなければ見過ごすポイントです。競争がすべてを成長させると考えているところがあるからです。ここでのポイントは、成長と生産性は定義が違うこと。成長は大きくなる、拡大することだけですが、生産性は結果(収益)につながらなければならないからです。今後の日本は給与が上昇していくのは見えています。生産性を向上させることは命題であり避けられそうにありません。給与上昇を実現するための生産性向上がベースになっていくのです。
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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆