フィードバックのタイミング

新人が機嫌を損ねたり、怒りを表現したりする場合、フィードバックは重要な教育手段です。正確なフィードバックを提供することがカギとなりますが、いつ伝えるべきか、どのように伝えるべきかはしばしば難しい問題です。

重要なポイントは、焦らずにタイミングを見計らってフィードバックを行うことです。適切な時に伝えることが大切。また、何度もフィードバックを繰り返すことも問題ありません。新人が問題行動を繰り返している場合は、繰り返しフィードバックを行い、改善を促すことです。

フィードバックを伝える際には、客観的で具体的な事実を伝えること。感情的な表現や攻撃的な言葉は避け、具体的な改善点や期待する行動について明確に指摘しましょう。ただし、途中でフィードバックを止めることも問題ありません。新人が受け入れる能力や精神的な負担を考慮すると途中で止めて明日に延ばすことも方法のひとつなのです。人は1日経つと、いろいろと考えるものです。自分自身で振り返りもします。自己正当化に走る人もいますが、振り返っている事実には変わりありません。その思考回数と思考時間が成長へとつながるのです。

何も言わないではなく

新人教育において、リーダーが怖がって何も伝えないという状況は非常に問題です。確かに、一度失敗するとリーダーが何も言えなくなる可能性がありますが、このような状況では新人の成長や組織の進歩は望めません。

そこで、質問に徹することです。指摘するのは後回しにするのです。リーダーは、新人に問いかけて、自ら考え、振り返り、自己評価を行う機会を提供するだけで最初はいいのです。その反復だけでも、意識改革や成長を促すことができます。まずは新人に自己評価や振り返りをさせ、自ら問題や改善点に気づくことを促してみてください。

最初は不要

そう考えると、指摘することは最初は必要ないかもしれません。新人が自己評価や振り返りを通じて自己成長の意欲を持つようになった後、具体的な修正や改善点を指示する段階に入ります。ようやく受け入れる準備ができた段階なのです。ただし、指示する際には客観的で具体的な指摘を行い、感情的な表現や攻撃的な言葉は避けましょう。

受け入れる能力や精神的な負担を考慮しながら、適切なタイミングでフィードバックを行うのがここでのポイント。もし失敗や問題が起きたら、一緒に振り返りをし、再度チャレンジする機会を提供するだけです。

まとめ

新人教育はしつけ段階では即注意するのが基本です。その後の成長は個性に合わせて成長を促していきます。その方法として、リーダーが質問に徹することで、新人の意識改革や成長を促進することができることは覚えておいて損はありません。

リーダーが怖がって何も伝えない状況から脱却するためには、質問と振り返りの習慣を根付かせていくことです。リーダー自身が積極的に質問をし、フィードバックを通じて成長環境をつくり上げていきましょう。

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