効率性をどこまで求めるのか
日常生活において効率を追求することは正しいことなのでしょうか。タイパが注目されたときもありました。効率性をビジネス以外のプライベートに求めると、私的時間にも影響を及ぼすようになります。今回は、プライベートな時間に効率を求めることのプラス面とマイナス面について探求してみます。
プラス面として時間管理の改善
プラス面から考えてみます。
- 効率の意識
効率を意識することは、時間を有効に使い、時間を最大限に活用するために役立ちます。余暇を生み出すことにもつながります。もしくは、自分の時間を生み出すことも可能になります。 - 目標達成の加速:
自分自身の目標に対して効率的なアプローチを取ることで、より早く成果を出すことができます。スキル取得や資格取得に関しては効率的に行う方が近道です。
マイナス面としてリラックスの欠如
すべてにおいて効率を求めると、やはりマイナス面もあります。いくつか取り上げてみます。
- ストレス蓄積
リラックスすることを忘れ、ストレスが蓄積する可能性があります。効率が良い、悪い、と常に評価し続けることになってしまうからです。 - 人間関係への影響:
効率性だけを追求すると、大切な人との時間を機械的に扱ってしまうことがあります。時間をまったく取らなくなってしまうことが発生するようです。優先順位をまちがえてしまうケースです。 - 瞬間を楽しむことの喪失:
「今」を生きることの喜びが薄れ、人生の豊かさを感じられなくなる恐れがあります。
こうしてみると、プライベートに効率を求め過ぎるのもマイナスなことがわかります。ダラダラと過ごすと満足度が下がりますが、効率を求め過ぎると疲れてしまう。そんなことに気がつきます。
バランスを見つける
重要なのは、効率とリラクゼーションのバランスを見つけることです。たとえば、週末にはスケジュールを立てずに過ごす、「何もしない時間」を意図的に作るなど、意識的な努力が必要です。時間は限られていますが、その価値はどれだけ効率的に使ったかではなく、どれだけ満足できたかで決まると感じます。
ゆとりは仕事にもプラス面がある
効率至上主義が創造的なアイデアの芽を摘んでいる事例を聞いたことがあります。大手企業においても開発チームに効率を求めたところ、ヒット商品が生まれにくくなり、結局のところ経営が傾いてしまいました(吸収合併されました)。これは、ゆとりがないために起こる事象です。
アイデアとは、ある種のリラックスした状態、心理学で言う「フロー状態」が生み出すもの。集中して考える時間が長く続き、何も出てこない。その後、ゆったりとした時間が流れていると、突然頭にひらめくことがあります。これが大きな発明やヒット作につながるのです。
まとめ
人間はもともと、ゆったり過ごしている動物だったと思います。効率を求めていたとは思えません。思いつき、自由気ままが幸せを感じるのはそのためです。しかし、現代では、それだけではビジネスができないので、集中したり、効率を求めたりしています。ということは、プライベートまで効率を求め過ぎると破綻しやすいのです。急に効率ばかり求めるのではなく、徐々に進めていくのが理想です。
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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳