デフレからの
日本経済において、長きにわたるデフレの影響は根深いものがあります。価格の継続的な低迷は諸外国と比較すると、経済の活力を奪い続けてきたといえるでしょう。現在は、デフレ脱却を目指しています。そろそろ脱却したのではないか、と感じる人もいるとは思いますが、意見は分かれているようです。
物価上昇だけがすべてではない
物価の上昇はデフレ脱却の明確な指標とされてきました。これは、消費者物価指数(CPI)の上昇を通じて最も直接的に測定されます。しかしながら、専門家の中には単純な物価上昇をデフレ脱却の根拠とすることに疑問を呈しています。日銀もその路線だと感じます。なぜなら、一時的なコストプッシュによる物価上昇は、経済の成長を必ずしも意味しないからです。
注目される指標4つ
では、どのような指標でデフレ脱却を判断するのでしょうか。デフレからの脱却を判断する際に注目される指標は、以下の4つです。
- CPI(消費者物価指数)
CPIは消費者物価の変動を示す指標であり、物価の上昇や下降を反映します。 - GDP(国内総生産)デフレーター
GDPデフレーターは、GDPに計上されるすべての財・サービスを含むため、企業物価指数や消費者物価指数よりも包括的な物価指標です。https://www.smbcnikko.co.jp/terms/eng/g/E0043.html - GDPギャップ
GDPギャップは、国の経済全体の総需要と供給力の乖離(かいり)のことを指しています。
https://www.smd-am.co.jp/glossary/YST2791 - ULC(単位労働コスト)
ULCは企業がある製品を一定量作るのに必要とする労働経費(賃金)のこと。雇用者報酬を調査時の時価で示した名目雇用者報酬を実質国内総生産(GDP)で割って算出する。
https://www.nomura.co.jp/terms/japan/ta/A02690.html
これらの指標を総合的に分析し、日本がデフレから脱却したかどうかを判断することになるでしょう。
まとめ
時間が経過しなければ、本当にデフレ脱却したのかはわかりません。しかし、施策は結果がわかる前に決断しなければならず、どの指標を使って判断するかがカギになります。日銀も慎重な姿勢を取り続けており、明言しません。まだ、脱却していないのではないか、とあくまでも判断を先送りしているのが現状です。2024年の春頃にデフレ脱却の判断がはっきりするのではないかと予想しています。
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