単に仕事が無くなるではなく

人工知能(AI)技術の発展は、働き方に影響を与えていくことになります。まだ現状では部分的な影響しか聞こえてきません。しかし、時間の経過とともにビジネスに浸透することは確実です。

AIを考えるとき、「仕事が無くなる」「代替される」といった論調だけでAIを見ると正確に理解することができません。ある2つの視点からAIをとらえると、理解できることがありますので、今回はその点について取り上げます。

2つの視点とは

AIの影響は、大きく二つのカテゴリーに分けられます。一つは「労働置換型」、もう一つは「労働補完型」です。これらの違いを理解することは、未来の働き方において極めて重要です。

置換型とは

AIをイメージするとき、なぜかAIによって代替される職業ばかりメディアに出てきます。その方が注目を集めるからでしょう。この代替型のAIを「労働置換型AI」と呼ぶことがあります。

労働置換型AIは、人間の労働を直接置き換えるAIです。たとえば、会計士やデータベース解析などの業務は、AIによる自動化で置き換えられる可能性が高いとされています。この種のAIは、繰り返しのタスクを高速かつ正確に実行する能力に優れています。しかも疲れることを知らないので、人間を超えていきます。そうなると、これらの職業は消滅するかもしれません。時間はかかると思いますが、いずれ置き換えられていくでしょう。

補完型とは

もう一つの解釈でAIを分類すると、「労働補完型AI」があります。仕事を代替するのではなく、補完してくれるAIです。労働補完型AIは、人間の能力を補完し、時間がかかる作業を軽減してくれます。たとえば、デザイナーや研究者の仕事は、AIによって提供される新しいアイデアや分析手法によって、創造するための時間を短縮してくれます。その結果、より革新的な成果物を作成できるようになるでしょう。このタイプのAIは、人間と機械の協働を促進し、従来の職業に新しい職業を創造することもあるかもしれません。

AIの役割を見極める

この2つの視点でビジネスや職業を見ると、将来的にAIによってどのように影響を受けるかを理解しやすくなります。AI脅威論だけで語るのではなく、AIによって仕事を補完してもらうツールとして考えることの方が有益でしょう。今後はこの補完型としてAIが活用されていくと感じています。特に面倒な作業を補完してくれるAIから重宝されるのではないでしょうか。

まとめ

AIは毎日利用していると、急に進化するのがわかります。いきなりボタンが増え、機能が追加されることも普通です。さらにバージョンアップされることもあり、その進化を見ているだけでも楽しい世界です。なぜなら、AIの進化によってビジネスが加速するのがわかるからです。そのときのAIは補完型として活用していることになります。そんな仕事の手法が当たり前になっていくでしょう。これからがさらに楽しい世界になると感じます。

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