将来収益を担保に資金調達
レベニュー・ベースド・ファイナンス(RBF)と呼ばれる資金調達方法があります。新しい手法のひとつです。将来の売上を担保にして資金調達をすることがRBF。これは、スタートアップ企業や成長企業における売り上げ急増時にスムーズな資金調達ができる内容だと感じました。伝統的な銀行融資では、十分な担保や信用力がないと融資を受けることが難しいのが実情。そんな中で、十分な担保がない状態でも資金調達できるので注目を集めるようになったのです。
将来予測で
RBFとは、将来の予想売上高を基に資金調達を行う方法のこと。企業は、過去の売上実績と事業計画を基に将来の売上高を予測し、その一部を現在価値に割り引いた金額を調達するのが基本になります。つまり、将来発生するであろう売上を現金化できるのです。運転資金調達の一種と考えて差し支えないでしょう。
特徴
RBFによる資金調達は、株式の希薄化を伴わないため、創業者は株式の所有権を維持したまま資金調達ができるのも魅力の一つです。スタートアップ企業にとっては大きなメリットです。RBFはもともと欧米で広まった手法ですが、特にD2C(Direct-to-Consumer)企業との親和性が高いとされています。D2C企業は、自社ECサイトを通じて直接消費者に商品を販売するビジネスモデルで、継続的な収益が見込めるサブスクリプション型のサービスを提供していることが多いためです。1年先の売り上げまで正確に把握することができるビジネスとRBFは相性が良いです。
プラットフォームとの相性
ShopifyやAmazonなどのEコマースプラットフォーム側がRBFを行っているのは知っていました。調達する企業の売り上げ推移はプラットフォーム企業がデータとして把握しています。過去の販売実績データを自動的に取得・分析し、将来の売上高をより正確に予測することが可能となるのです。また、リアルタイムの売上データを常に把握できるため、融資先企業の事業状況を適時にモニタリングすることもできます。急激な売り上げ増加時にも即融資を行うこともできるのが特徴でお互いのメリットが合致する資金調達方法といえるでしょう。
まとめ
資金調達の選択肢は段々と広がっています。10年前と比較するとよくわかります。資金調達しやすくなっているのです。特に、成長によるキャッシュ不足を解消する手段は増えてきました。今後も増えていくと予想しています。
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