企業が新たな方向性に舵を切る理由

企業が長年培ってきた文化や習慣を変えることは容易ではありません。特に、失敗を恐れるあまり、新しいことに挑戦することを躊躇する企業文化が根付いている場合、変革への道のりは険しいものになり、時間がかかるでしょう。しかし、市場の変化や技術の進歩に対応するためには、企業は常に変化し続けることになります。単純な原則なのですが、変化し続ける企業だけが残るだけです。

では、企業が新たな方向性に舵を切り、変革を成功させるためには何が重要なのでしょうか。以下に、ポイントを詳しく解説します。

変化成功ポイント

5つのポイントにまとめてみました。

  1. 失敗を恐れない文化の醸成
    変革のイノベーションを生み出すためには、失敗を恐れない文化を醸成することからスタートです。失敗から学ぶことを奨励し、スタッフが新しいことにチャレンジできる環境を整備することです。失敗すること自体を奨励してもいいでしょう。そのためには、リーダーが率先して失敗することですし、実践者であり続けることがポイントになります。
  2. 積極的なコミュニケーションの促進
    スタッフが自由に発言できる雰囲気を整えることも欠かせません。雰囲気とは形のないものなので、雰囲気ができているかどうかは発言内容によって判断することになります。簡単な見極め方として、将来について語っている割合が過半数以上あるのかがポイントです。少なければ、変化に対して拒絶があり現状維持を支持している雰囲気となります。
  3. 変化を支える人財の評価と登用
    変革を成功させるためには、新しいことに取り組むスタッフを適切に評価し、登用すること。ここには年齢は関係ありません。会社の状況によっては緊急性を要している場合もあるので、従来の評価基準にとらわれる必要はありません。
  4. 経営層のコミットメントと明確なビジョンの提示
    変革には、経営層の強いコミットメントが不可欠です。個人の目標だけでは組織の成長は限定的。全体の目標を掲げるほど、成長率は高くなることは実証されています。なので、全体の目標やビジョンを正確に伝えていくことは外せないポイントです。
  5. 時間をかけた文化の醸成
    企業文化を変えるには、一定の時間が必要。1年間から2年間かけて、新しい文化を根付かせていくこともあります。継続的な取り組みと根気強い働きかけをすることによって醸成されることは忘れたくありません。早急な結果を求めない部分でもあり、その点はゆっくり進行させていくことになります。

こんな感じで変わる

組織が変わるとき、発言内容が変わるのですが、事例があるので書いておきます。組織に、「新しいことをやってもいいんだ」という雰囲気が共通認識になると、『実は私はこんなビジネスを将来やってみたいんです』と意外な人から発言が出てくるのです。そうなると新たなことを取り組もうとする人が会社を支えていき、だんだんと結果を出すようになります。逆に、他人の欠点を指摘するだけ人は評価されなくなるのも特徴です。

まとめ

企業が変革を成功させるためには、これらのポイントを踏まえ、段階的に変革を進めていくことが求められます。部分的には時間をかけても良いケースもあるので、慌てないことです。最終的には組織が変わることがゴールであり、短時間で到達させる必要はないからです。その点は間違えないようにしましょう。

——————————-
スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ 藤原毅芳 運営 執筆