リーマンショック以来の懸念

2023年4月から、日本経済は個人消費の低迷がデータとして出ています。2023年4月以降、4期連続で個人消費がマイナスを記録。これはリーマンショック以来の状況。物価高騰が主な要因とされていますが、給与アップのペースが遅れていることも消費を抑制する要因となっています。具体的に見ていきます。

家計削減

個人消費の低迷は、特に食費の削減に顕著に表れます。日々の食費を抑えるために、外食を控えたり、安価な食材を選んだりしています。外食控えは顕著。特に、外食好きが回数を控えているのを確認しており、データを裏付けているのがわかります。また、生活必需品の買い替えサイクルも長期化しています。高額なものほど買い替え時期を先延ばしにする傾向が見られます。耐用年数は残っているので買い換える必要がないのですが、以前だと陳腐化した製品は新しい製品に買い替えしていました。それが現在は先延ばしになっています。

企業の在庫増加が来年影響

個人消費の低迷は、企業活動にも影響を与えています。消費者の需要が減少することで、企業は在庫を抱えることになります。在庫の増加は、企業の新たな投資を抑制する要因となります。企業も控えるようになる可能性が高くなりました。売れていない企業ほどその傾向が出てくるでしょう。

また、在庫の増加は、GDPの計算においてマイナスの要因となります。GDPは、製造した分が計上されます。在庫が積み上がれば、翌年の製造量が減少し、GDPが減少していきます。遅れて減少が発生することになります。GDPへの影響は来年になるかもしれません。

回復は

日本経済が個人消費から脱却するためには、いくつかの課題に取り組むことになるでしょう。ただ、インフレは継続させたいとなると、物価高騰を抑える手法は選択されません。所得税減税が行われるので、減税から消費量を増やしたいという意図はわかりますが、最終的に個人消費につながるとは断定できません。減税だからお金を使う人は少ないのではないでしょうか。どちらかといえば、貯金しておく人が多数派のように感じています。

消費マインドの喚起に関しては、低迷した30年間の習慣を変えることになるのでハードルは高いです。少しの減税で消費が喚起されるとは思えません。消費喚起の結果を本気で求めるならば、もっと大胆な施策の内容になると思います。

先行きは

上記をまとめると次のような内容になります。課題は大きく、解決のハードルは高いと改めて感じました。

1)個人消費の低迷

  • 2023年4月以降、4期連続でマイナス成長
  • リーマンショック以来の深刻な状況
  • 物価高騰と給与アップのペースの遅れが要因

2)食費の削減と買い替えサイクルの長期化

  • 外食を控え、安価なを選ぶ傾向
  • 家電製品などの高額製品買い替え時期先延ばし

3)企業の在庫増加とGDPへの影響

  • 消費者需要の減少により企業は在庫を抱える
  • 在庫増加は企業の新たな投資を抑制
  • 在庫増加はGDP計算においてマイナスの要因(時差で発生)

4)回復に向けた課題

  • 消費マインドの喚起を大胆に

まとめ

平均株価が高い領域で推移しているので、ネガティブな雰囲気はありません。深刻なマイナス心理はまだ発生していない状態です。そのため、個人消費のマイナスがリーマンショック以来と言われても、さほど感じない状況なのかもしれません。ただ、この個人消費マイナスが続けば、時間の経過とともに影響が出る部分が拡大していきます。そこだけは心配なところ。夏の消費が増加するかによって先行きも左右するでしょう。

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