意図通りに行動しない

チーム運営において、リーダーはメンバーに行動をしてほしいと願っています。できればゴールに向かって、自発的に行動してほしいと期待をしています。しかし、人は考えを持って自分の判断で行動するので、リーダーの意図に沿った行動にはならないことの方が多いのではないでしょうか。考えてみればわかりますが、ロボットではありませんので、完全には意図通りにはならないでしょう。しかし、方向性だけは同じ向きで進みたいところです。

今回は、人が行動するときのパターンを4つの事象で考えてみたいと思います。

利己・利他

まずは根本のところから考えてみます。行動の根本には2種類があります。利己と利他です。その行動は次の2通りになります。

  • 利己的行動→自分自身の利益や幸福を最優先に考え行動すること
  • 利他的行動→自分自身の利益よりも他者の利益や幸福を優先し行動すること

この2つを起点に行動は分かれると思います。

余談になりますが、人の発言や行動は必ず利己的か利他的のどちらかに分かれます。表面の言葉ではわからないことがありますが、よく見ると利己的なところに誘導しているのがわかるケースもあります。「あなたのために言うのですが、これをした方がいい」と言いながら、最終的には自分にメリットが来るように仕向ける人も見かけたことがあるので、表面的には利他であったも、根本は利己であるケースも覚えておくといいでしょう。

この利己と利他を出発した行動は、結果がどうなるのでしょうか。「得」「損」を掛け合わせた4事象で考えていきたいと思います。

短期的長期的

利己的行動、利他的行動、得、損の4つの要素を掛け合わせた4事象は次の通りになります。

利己的行動①利己×得②利己×損
利他的行動③利他×得④利他×損

行動の結果は損得に分かれます。上記の4事象になりますが、利己的と利他的ではどちらが得られる量が多くなるのか。短期的、長期的に分けて見えるとわかりやすいかもしれません。
・短期的→①利己×得 
が最も利益を手に入るような気がします。しかし、
・長期的→③利他×得
になるのです。これは、ある日本の学者の実験によっても結果が出ています。その教授も「①利己×得」になると思っていたのですが、実験を継続すると「③利他×得」に収束していったのです。興味深い内容です。

これをもとに考えるならば、チームに対して利他的行動をする人が最も得られる量が多いと伝えながら、方向性をひとつにしていくのも有益だと考えています。

まとめ

利己と利他は相反する内容なので同時に成立しない。また行動や言動を見ても根本が利己なのか利他なのかわかりにくい。時間をかけて見ているとだんだんわかるようになるくらいです。利他からスタートしている人は、やはり長期間にわたってブレないことだけは確かです。チーム運営においても、メンバーに対して根本のところから求めることがここではポイントだと感じます。

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