バンドル戦略

戦略を考えるとき、事例研究からパターンを増やし、アイデアの幅を広げることが効果的です。今回は、「バンドル戦略」を取り上げます。バンドル戦略とは、複数の商品やサービスを組み合わせて、1つのパッケージとして販売する価格戦略のことを指します。抱き合わせ販売、と呼ばれることもあります。この戦略は、企業にとってメリットもデメリットもあるため詳しく解説します。

特徴

バンドル戦略は「売れる製品+売れない製品」を組み合わせて販売するケースもあり、批判の対象となることもあります。イメージはあまり良くありません。不必要な製品まで一緒に買わされるイメージがあるからです。ただ、他の側面もあるので、特徴を考えてみます。

  1. 便利さの創出
    バンドル戦略の第一の目的は、消費者に対して価値を創出すること。単品で販売するよりも、関連する商品やサービスを組み合わせることで、消費者にとっての利便性を高めることができます。製品と消耗品を一緒に販売するケースがわかりやすいでしょう。
  2. 販売促進(在庫解消)
    バンドル商品を魅力的な価格で提供することで、売上増加や市場シェア拡大を狙うことができます。消費者は、バンドル商品を個別に購入するよりもお得感を感じるため、購買意欲が高まります。在庫を解消するときは特に有効でしょう。
  3. 魅力度アップ
    単体では魅力が少ない製品の場合、バンドル販売することで魅力度をアップさせることができます。1つだけ魅力度がある製品やブランド力のある製品が入ることで全体が良く見える効果が出てきます。

プロセス

バンドル戦略を成功させるためには、商品・サービスの組み合わせや価格設定を慎重に検討する必要があります。そこがノウハウです。単に売れない製品を集めただけでは売れません。魅力度を高めるという視点で組み合わせを考えていくことだと思います。考えが浮かばないときは、組み合わせを何種類か考えて、テスト販売することで顧客から見た魅力度が理解できるようになるでしょう。

まとめ

製品やサービスを組み合わせて、顧客の不満を取り除くパターンのバンドル販売もありますが、単に寄せ集めのバンドル販売もあります。同じバンドル戦略でも内容は全然違うので、同じように見えても結果には差が出ます。マーケティングの戦略は表面だけマネをしても結果に差が出るのはそのためです。内容を理解して取り組むと結果につながりやすいでしょう。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ 藤原毅芳 運営 執筆