心に着火
組織のリーダーシップにおいて重要なポイントが移動しました。変化しています。それは、メンバーの心に火をつける「着火役」の役割です。単なる指示者や管理者ではなく、チームメンバーの感情や気持ちに着火し、活動の質を高めていく。そんな役割の重要性が高まっているのです。では、なぜこのような「着火役」リーダーシップが必要とされているのでしょうか。
環境への対応
経済環境の変化により企業活動も変化しています。以前より売上減少、問合せ減少が発生しているケースも増えているのが現状です。そんなときは、メンバーの活躍に期待したくなります。ただ、期待値に応えるような行動や結果になることは少なく、どうしても行き詰まり、停滞を感じます。このような状況下では、従来の上意下達型のリーダーシップだけでは対応が困難。メンバーごとの主体性を引き出すのが優先です。
アプローチ
主体性を引き出すために、どのようにアプローチするのか。現状が満足できない結果や行動であるならば、過去の手法とは違うアプローチをすることです。また、メンバーへ画一的なアプローチも通用しません。個々人の特性や価値観に合わせた、きめ細やかなモチベーション向上策(着火手法)が求められています。「着火役」リーダーは、個人ごとの個性を理解し、メンバーを活かすアプローチを極めることになります。
マイナス環境下で
リーダーシップは、マイナス環境下において発揮されると考えています。メンバーの誰もが「たぶん無理」と感じている状況下で着火させられる実力がここではポイントなのです。業績が下がる前に問合せ減少や顧客数減少が表出します。ちょっとメンバーの元気がなくなってきたときに行動をうながす着火ができるのかにかかっています。ここが分岐点になるでしょう。単に大声で「行動しよう」と伝えてもあまり効果はありません。リーダー自身が信用される行動を見せ、信用されていることが根底では必要でしょう。着火役はそう簡単ではないのです。
まとめ
業績が良いチームならリーダーの信頼は高いと考えますが、実はそうではありません。業績好調のリーダーに対して、スタッフが「あのリーダー、勝手に決めてしまう」と言うのを聞いたこともあります。リーダーは細かいところまで見られているものだ、と感じました。しかし、細かいところも整合性があるから信頼が増えていくのだと思います。これから先、時代は乱世になるかもしれません。もしそうなったとき、活躍できる着火役のリーダーが社内に何人いるのかが行き先を決めていくのではないでしょうか。
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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ 藤原毅芳 運営 執筆