『ノーチャレンジ、ノーフューチャー』

『挑戦なくして未来なし』という造語。上場企業の社内言語だそうです。「ノーチャレンジ、ノーフューチャー」は、タワーレコードのキャッチコピー(コーポレート・ボイス)である「no music, no life(ノーミュージック、ノーライフ)」から連想した言葉なのでしょう。わかりやすく、覚えやすいフレーズです。

道はふたつ

社内へのキャッチコピーは有効です。一般のキャッチコピーのように
・覚えやすい
・わかりやすい
・インパクトがある
といいでしょう。文章や言語を操るのもリーダーの仕事なので、そこは極めていきたいところです。

一般にリーダーが社内やチーム向けに「キャッチコピー」のようなメッセージを投げかける場面を見ると、リーダー自身が常日頃から「メッセージ」「言葉」「ボキャブラリー」を集めていることがわかります。書きためて、蓄積しているのです。

最大のリスク

ビジネス環境は、かつてないスピードで変化を続けています。これからもまだ速くなる見込みです。デジタル化の加速、価値観の多様化、そして予測不可能な市場変動。AIの快適さもそろそろ明らかになってくるでしょう。

このような時代において、「安定」を求めることは、むしろ最大のリスクとなってしまうのです。

カルチャー

企業の持続的成長には、組織全体での「挑戦する文化」の確立が不可欠です。ただ、チャレンジといっても、結果が見えるチャレンジだけでなく、2割くらいは結果が見えないところまでチャレンジしてほしいと考えています。「no challenge,no future」と社内で伝えているのは、ユニクロですが、創業者の考えは「1勝9敗」です。もっと負けている、とも公言しており、他が追随できない数だと思います。そこまでは、すぐにできるはずはありませんが、そこを目指すことは意味があるのではないでしょうか。

人材育成の新たなパラダイム

従来型の人材育成では、既存のスキルの習得や、定められたキャリアパスの踏襲が重視されてきました。しかし、これからの時代に求められるのは、未知の課題に果敢に挑戦できる人を出現させることに価値が発生していくでしょう。そのために、できることは「価値観重視」の教育システムです。

たとえば、下記のような人を育てていくことになるでしょう。

・他人とは同じことをしたくないという価値観を持っている人
・他の人がやっていないことに価値観を感じる人

組織変革への具体的アプローチ

そうなると、リーダー像も変化します。登用するリーダーの選び方も変わってくるのです。最近、考えていることなのですが、成績の良い人をリーダーに登用すること自体、まちがっているのではないかと考えています。成績が良い人の中でも、リーダーとして価値観が合う人だけを登用しなければ、チームや組織はまちがった方向へ進んでしまう恐れがあるからです。

まとめ

具体的な事象は言えませんが、リーダーの登用は「実績」+「リーダーとしての価値観」を兼ね備えた人を選任することがベストだと感じしています。成績が上がっているときほど、現状維持になるリーダーを見ると、魅力半減です。チームや組織のことを考えることより、自分や自分のまわりだけを優先しているのを見かけると残念な気持ちにもなります。あくまでもリーダーは視野拡大、未来を考える思考が優先です。

——————————-
スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ 藤原毅芳 運営 執筆