実態はどうなのか

2025年を目前に控え、日本の消費市場は大きな転換期を迎えている、と言われています。その理由は、団塊世代がすべて75歳以上の後期高齢者となるからです。シニア消費が一気に萎むことが考えられています。

また、α世代が10代半ばを迎えるこの節目の年でもあります。2010年生まれが15歳になる年が2025年なのです。これにより、消費の分極化が一層鮮明になると予測されています。今回は、変化するであろう2025年の消費について見ていきます。

消費格差の拡大

消費格差の拡大は大きくなっていますが、実態はまだ正確にはわかりません。傾向がわかっているだけです。ただ、消費の分散化は発生しているのは事実。そのため、消費の解釈がいくつも出てきている状態。決め手となる分析がまだないのが現在の実態ではないでしょうか。

縮小する中間層

富裕層は顕在であり、わかりやすいですが、かつての消費を支えた中間層は、選択的消費に慎重さを増しています。コストパフォーマンスを重視し、「ハレ」の日と「ケ」の日で消費にメリハリをつける傾向が強まっています。使わないところは、まったく消費しなくなりました。将来への不安から、予備的な貯蓄も増加傾向にあります。あるけど、使わない層といえるでしょう。この層の動きが今後の課題になると見込んでいます。

消費傾向

消費を世代別に分けて分析することもナンセンスな時代になりました。年齢によって消費行動が決まらないからです。50代でもマンガは読みますし、積極的にマンガに課金しているのも事実です。そのため、世代別ではなく、「指向別」で分けて考えていく傾向にあります。

時間消費パターン

時間効率を重視し、デジタルサービスを積極的に活用する傾向が強くなっています。読書はせず、動画から効率よく情報収集する。ドラマやテレビ番組は、倍速で視聴する。それが良いという価値観です。特に、スマホで動画、スマホでSNS(ショートムービー)の時代になりつつあるのを感じます。デジタルネイティブが増加すればするほど、スマホ依存度は高くなります。コンテンツもその流れに沿って増えていくでしょう。

まとめ

2025年に向けて、消費の分極化はさらに加速することが予想できます。企業は、この変化を脅威としてではなく、新たな機会として考えたほうがよさそうです。柔軟な反応が求められていると思います。思い込み、過去の経験は捨て去って現実を見て、把握、分析することになりそうです。

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