競争はしない

こんな言葉があります。「競争は敗者がすることだ」と言っている人がいます。激しい言葉ですが、言っているのはピーター・ティール氏。ネットの決済システム「ペイパル(PayPal)」の創業者のひとりです。競争は敗者がすることだ、と言っている理由は、新しいビジネスは既存のビジネスの10倍優れていなければならない、と考えているからです。既存企業と競争をする内容であれば、負けてしまうだろう、と暗に言っています。圧倒的な差をつけてビジネスをスタートさせろ、と言っているようにも聞こえます。既存企業と競争してしまうと、規模の差であったり、資金量・人員数の差で負けてしまうのです。なので、競争は避けるべきと考えているわけです。競争をしないところでスタートする考えは知っておいて損はないでしょう。

ピーター・ティール「競争は敗者がすることだ」

競争がない領域とは

では、実際に競争がない領域とはどこにあるのでしょうか。主に考えられるのは次の2点です。
①競争相手がいない場所
②だれも提供していない製品、サービス
になります。①の競争相手がいない場所は「ブルーオーシャン」と呼ばれています。実際には、ほとんどありません。仮に競争相手がいない場所が見つかっても、時間の経過とともに競争になっていきます。いつまでも隠れていることはできません。特許、著作権によって守ることはできますが、それも期間限定です。特許は15年間、著作権50年間の期間が終われば、競争になっていきます。

②のだれも提供していない製品サービスを開発することに関しても難易度は高い。他を圧倒する製品やサービスは、リリースしたときに「そんなものは流行らない」と否定される内容のことがあるのです。それほど、既存ビジネスから離れた内容になることもあるのです。だからヒットしないことも多く、どれが当たるのかは予測がつきません。当たるまで続けるしかない領域でもあります。

もし競争するならば

もし、競争するときが来たら、考えることはひとつだけです。相手が規模の大きい大企業であっても同じです。それは
・相手の戦略を崩すこと
なのです。戦略を崩すというのは、相手の優位性がマイナスになるようなことに取り組むことになります。相手の強みが崩れるような施策をすることになります。「それをやられると困る」ことをすることになります。シェアを握っている企業は規模をもとにビジネスを設計しています。それを維持するために投資しているので、大きな方向転換ができません。わかりやすい事例では、蛍光灯からLEDへの転換期に発生しました。大手蛍光灯製造メーカーは工場の設備投資をしていたのでLED製造に切り替えが数年間できませんでした。その間にLEDを普及させた企業もあったのです。なかなかチャンスは探せないとは思いますが、ないことはないのです。

まとめ

競争がない領域と競争する場合のポイントを解説しました。それぞれ、競争に関わる人は知っておく必要がある内容です。知ったうえで戦略を決定することになります。知らなければ何も判断できません。無謀な選択をするだけになってしまいますので、最低限のことは知っておくことだと思います。

(下記動画は上記文章をAIで読み上げさせています。人の動きもAIが自動生成しており撮影はしておりません↓)

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