いきなりではブレる
営業部門の新人教育、どこから始めていますか。いきなり現場に出して同行させて「慣れるまで見て覚えて」では、教育の軸がぶれてしまいがち。体系的な段階設計こそが、確実な成長への近道だと感じます。体系立てておくと教育期間は短縮できるものです。今回は営業教育のポイントを探ります。
教育の4つのステップ
営業教育に正解はないのかもしれませんが、基本を覚えるには順番があります。基本習得には再現性があると思っておいてください。
ステップ1:製品概要暗記
まずは基礎知識の徹底習得。商品の特徴、価格帯、競合との違い。これを一気に覚えてしまいます。この土台がないと、後の段階で必ずといっていいほどつまずきます。
・商品知識
・専門用語
・業界知識
・業界の歴史
ステップ2:見積り作成
数字に強くなる実践段階。価格設定の根拠、コスト構造、提案の組み立て方を身につけます。そのために見積り作業を短期間に数多く経験しましょう。自動でコスト計算できる仕組みがあるかもしれませんが、最初は手計算を経験するのも習得にはプラスになります。コスト構造を把握できるからです。また、細部へのこだわりもここで理解します。1円単位で計算されていることに気がつけば、金銭感覚も変わっていくでしょう。
ステップ3:電話での打ち合わせを経験
コミュニケーション力の実践訓練として最初から訪問ではなく電話を経験させるのもひとつの方法です。顔が見えない分、話術と聞き取り力が重要となりますが、顔が見えないからやりやすい部分もあります。電話対応を経験するメリットは次のとおり。
- 相手の表情に頼らない会話力
- 簡潔で分かりやすい説明スキル
- 集中力と傾聴力の向上
ステップ4:顧客訪問へ
十分な準備を経験したら、顧客との対面へ進みます。経験値が低い方でもここまで来ればスムーズに進むはず。いきなり顧客訪問の場合は、リアリティショックを受けることもありますが、経験プロセスを構築すればショックは少なくなるのです。
まとめ
営業新人教育は段階的なアプローチによって確実性が高くなります。急がば回れの精神で、一つひとつのステップを確実にクリアしていく。この丁寧な取り組みが、将来の営業エースを育てる土台となるのです。教育の軸を見失わず、個人の成長を見ながらプロセスを構築していってください。
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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazsine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ 藤原毅芳 運営 執筆 from2011