組織コミットメントとは
組織コミットメントという表現があります。具体的には、「所属する組織に対して持つ、帰属意識や愛着、貢献意欲などの心理的なつながりのこと」を指しています。少し抽象度の高い表現なので、分解して考えます。次の3つのコミットメントに分けられます。
「情緒的コミットメント(組織に留まりたい)」、「継続的コミットメント(組織に留まる必要がある)」、「規範的コミットメント(組織に留まるべきと感じる)」の3つの側面から成り立っていると定義する考え方です。情緒的、継続的、規範的、の3要素で組織への意識をとらえていく手法です。この3要素のバランスによって、その人の組織への意識レベルが分けられます。どこに偏っているのかによって、組織への帰属意識などが違うのです。
情緒的コミットメント | 組織に対する一体感 |
継続的コミットメント | 組織に居続けることのメリット 去ることによって失うデメリット |
規範的コミットメント | 組織に居続けることの恩義、忠誠心、義務感 |
最も大事なコミットメントは
この3つのコミットメントの中で最も大事なのはどれか。考えてみると、やはり
・情緒的コミットメント
が大事になります。特に組織に対する一体感がポイント。離職される方を見ていると、
・自分と組織
の関係が一体感ではなく
・対立構造
になっているのに気がつきます。自分が所属している組織に対して、意識が薄いのです。チームとして表現するとわかりますが、チームのメンバーリストに自分の名前は書いてあるが、自分がチームを支えている感覚が薄い。組織に対して距離を感じており、どちらかといえば、部外者に近いところに自分のポジションを形成したがります。
単なる計算
継続的コミットメントについては、残った方がいいのかを考えている人たちなので、組織に対して「金額換算」をしていることがあります。所属するというより、単に自分のキャリア形成のためにメリットになるのかを考えているケースです。所得に関して、他の方が良ければ移ってしまう可能性も高くなります。あまりにも継続的コミットメントばかり考えていると、帰属意識が増えることはないでしょう。
まとめ
今回は組織コミットメントについて取り上げました。会社に対しては、情緒的なコミットメントをベースにしてほしいと感じます。組織と一体感を持っている方が達成感も味わえるはず。そこから満足感も得られることでしょう。
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『経営情報Web Magazsine ファースト・ジャッジ』運営執筆 藤原毅芳(fjコンサルタンツ) from2011