「理論上無理」の壁を壊せ
日々の生活や仕事の中で、無意識のうちに「思考の限界」という名の壁を作ってはいないだろうか。
・「過去に起きなかったことは、今後も起こらないだろう」
・「理論上、これ以上いくと破綻するから、その状況にはならないはずだ」
このような考えは、一見、論理的で安全な思考のように見えます。しかし、この思考回路こそが、自らの思考を狭めてしまう最大の要因かもしれません。予測する範囲を限定してしまうからです。
思考の限界=呪縛
過去のデータや経験、既存の科学や社会の論理に基づいて未来を予測しようとします。これは効率的ですが、同時に新しく発生するであろうという内容を考えないようになってしまいます。過去を振り返ると、リーマンショック後に
・想定外のことが起こった
・こんなことが発生するとは思えなかった
と口にすることが普通でした。ここからわかることは、
・「事実は小説よりも奇なり」
という現実です。小説はフィクションであり、どのような設定も自由。制限がありません。そこで展開されるストーリーは事実より幅広いことが発生しているはず。しかし、フィクションより現実の方がさらに上をいくことがあるのです。
たまに起こる
現実の世界は、机上で組み立てた完璧な理論や、安全だと確信していた過去のパターンを、いともたやすく打ち破ってしまうことは、たまにあることです。これは否定できないでしょう。この100年間を振り返るだけで
- 飛行機がこれだけ普及すること(世界中でジェット旅客機2.5万機程度)
- ポケットサイズの端末で世界の情報にアクセスできること
- 誰も予想しなかったバブル崩壊
ということが発生してきました。これらはすべて、かつての「常識」や「理論」では考えられなかった、あるいは「起こりえない」とされていたできごとです。
思考の壁を打ち破るための視点
では、この自ら作った思考の限界をどのように超えていけば良いのでしょうか。注意していることは、「断言すること」を思いついたとき、「いや、本当にそうなのか」と自問自答することを習慣化しています。自分の思考の限界を超えていくことがここでは求められています。
- 「もし」から始める思考シミュレーション
「もし、今までの前提がすべて間違っていたとしたら」と、あえてネガティブな予測をひっくり返す問いを立ててみたい。物理学もまだ解明されていないことがある。3次元の世の中だと感じているが理論では9次元の方がしっくりいくらしい。これも仮説の延長にある事実 - 異質な情報を取り込む
自身の専門分野や興味の外にある、一見関係のない情報(小説、芸術、全く異なる分野の学問)を取り入れること。受け入れること。なかなかできませんが、受け入れることは大事。価値観が変わる世の中では、新しい価値観をバカにせず、否定せず、いったん受け入れることです。既成の論理では結びつかなかった要素が結合し、新しい発想が生まれる可能性があります。
まとめ
「事実は小説よりも奇なり」。この言葉は、常に柔軟で大胆な思考を要求します。過去の常識に縛られず、「どうせ無理」の壁を打ち破り、予想外の未来を積極的に迎えに行きたいと思います。これから数年間はそんな時代だと感じています。
——————————-
スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ 藤原毅芳 運営 執筆
