個人とチーム、どちらの成果なのか

仕事の成果をどのように評価するかは、ビジネスの現場において常に中心的なテーマとなっています。特に営業の世界では、その評価基準はさらに複雑なものとなることが多い。中には評価の取り合いが発生することもあります。目先の評価によって左右されるのはわかるのですが、そのたびに一喜一憂するのはどうかと思うときもあります。「評価は時間をかけて真の実力に収束していく」という原則があるので、いっときだけ評価が高くても意味がありません。また、低い評価が続くときもあるかもしれませんが、最終的には時間をかけて高い評価になっていくという法則性があるので安心して進むことです。

成果の背後にある手間

「成果で評価される」という考えは一般的ですが、実際の仕事の背後にはさまざまな工程が隠されています。特に、仕事を最初から最後まで1人で完結させたのか、それとも複数の人々の手を経て成果が生まれたのかは、評価の際に大きな課題となることがあります。

営業の評価の複雑さ

営業の現場では、この問題はさらに顕著になります。案件が発生した背景や、それを実際にクロージングに導いた人物、それぞれの役割や貢献度が重要な評価ポイントとなるからです。例えば、ある案件の発生を手掛けた人と、その後のフォローを行い最終的に成果を上げた人が異なる場合、どちらの貢献度が高いのか、そしてどちらを評価すべきなのかは意見が分かれるところです。ただ、最初のアプローチ、クロージング、受注に導いた人に高い評価をするのが一般的です。リピートするビジネスでは、最初の突破口が開けば永遠に収益が出るので、その意味は大きいのです。会社によっては、将来価値をDCF(ディスカウントキャッシュフロー)で計算し、将来価値に対して報酬を出しているところもあるくらいです。ただ、1回でそんなに高い評価をしていいのか疑問に思う人もいるので、この手法は普及していません。いずれ、収益性の高さで価値を測定するように変化すると予想しています。

チーム営業の評価

「チーム営業」という考え方も浸透してきています。これは、営業活動を1人で完結させるのではなく、チーム全体での成果を最優先とする考え方です。このアプローチでは、個人の成果よりもチーム全体の連携や貢献度が評価されるため、営業の成果の評価は個人ごとに分けられません。ただ、チームがひとつになって取り組んでいる場合は、チーム全体で評価をしても全員に受け入れられるので、その場合はチーム評価もありです。しかし、チームがバラバラの状態でチーム評価をしても、あまり意味がないように考えています。

まとめ

仕事の成果の評価は、単純な数字や結果だけではなく、その背後にあるプロセスや貢献度、チームワークなど多くの要素が絡み合うものです。営業の世界では、その評価基準がさらに複雑となることが多いため、公平な評価のための基準やアプローチを常に考え、変化させていくことになるでしょう。時代とともに評価基準も変化していいと考えています。

——————————-
スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆