形よりも考え方から

リーダー教育というと、多くの場合、話し方や傾聴のスキルなど、形から入ることが多いように思います。確かにこれらのスキルも重要ですが、真のリーダーシップを育むには、まず考え方から教育することが不可欠です。最初が重要だといつも感じています。知識転移より先に原則を理解しておく方がスムーズにリーダーとして活躍できるでしょう。

変わるポイント

リーダーになるということは、単にスキルを身につけるだけでなく、立場そのものが大きく変わります。スタッフからリーダーへの移行は、単なる役職名が変わるだけではありません。別の意味を持ちます。以下にその内容をあげてみます。

  1. 立場の変化を理解

リーダーになると、これまでとは全く異なる立場に置かれます。以前はリーダーを批評する側でしたが、今度は批評される側になります。言われる立場になってしまうのです。これを誤解する人もいるので、最初に理解してほしいと思っています。最初がズレると、その後も大きくズレていきリーダーとしての活躍の場がなくなるでしょう。

  1. 常に見られていることを意識する

リーダーは常にスタッフやまわりから観察されています。言動や態度、決断のすべてが注目の的となります。本当に細かいところまで見られているものです。ちょっとした表情も見逃さない感じでしょうか。この領域を知っておかないと、後から痛い目にあうかもしれません。この「常に見られている」という意識を持つことは敏感になってほしい部分です。

  1. 評価されることを受け入れる

リーダーは、良くも悪くも常に評価にさらされます。しかもその評価は、必ずしも公平や正確とは限りません。人それぞれの基準や視点で勝手に評価されることを理解し、受け入れるようにしていきましょう。理不尽なこともありますが、最終的には、正しい評価に収束していくものです。

実践

先日もあるリーダーから「最初に教わったことをずっと実践しています」と報告を受けました。リーダーの姿勢としてちょっとしたことをアドバイスしたのですが、その効果を実感したようです。形から入った場合には失敗するケースもあるので、確実なところからリーダーとして成長する方がスムーズだと考えています。

まとめ

リーダー教育において、まずは「見られる立場」「評価される立場」になったことを十分に理解させること。そのあとで形を身につけていきましょう。リーダーとして認めてもらえなければ活躍する場はありませんので。

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