複数の種類が

現状維持から脱却できないものだと考えさせられることがあります。いつも同じことをしていても、ダメなことはわかっていても実践できない場合もありますし、現状維持になっていることを受け入れられない人もいます。「現状維持」にはいくつかの種類があるのだと実感します。それぞれが異なる特徴と問題点を持っており整理しておこうと思いました。

3つのタイプ

今回は3つのタイプに分けて考えてみます。
1)無思考型現状維持
2)成功パターン固執型現状維持
3)根拠なき自信型現状維持
の3つです。詳細は下記のような内容です。

1. 無思考型

このタイプは、工夫も改善もなく、昔に教えてもらったとおりの仕事内容をそのまま続けている状態です。変化を恐れ、「これまでこうやってきたから」という理由だけで同じ方法を繰り返します。変化に対して恐怖を持っている人たちという表現も当てはまるでしょう。

2. 成功パターン固執型

過去のチャレンジで成功を収め、その成功パターンを維持し続けているタイプです。一度成功した方法に固執し、新しいアイデアや方法を受け入れることを躊躇します。そんなことをしなくても結果を出せる、と否定してしまうこともあります。成功が大きいほど、現状維持になりがち。まわりも何も言わなくなるので、現状維持が続きます。

3. 根拠なき自信型

根拠も実績もないにもかかわらず、現在のやり方が正しいと思い込んでいる状態です。客観的な評価や他者からのフィードバックを無視し、自己満足に陥っています。ベテランスタッフに多い現象だと感じます。自分なりのやり方がベストで、それ以外は受け入れられない状態です。ジコチューな現状維持のことです。

共通点

これら3つのタイプには共通点があります。時間の経過とともに業績や結果が下降していくことです。時間軸では、ゆっくり下降するパターンもあれば、急激に下がっていくタイプもあります。ただ、世の中は常に変化しており、同じことを続けているだけでは、いずれ時代に取り残されていくのは事実です。

最も気づきにくいワナ

では、この3タイプの中で自分が現状維持に陥っていることに気づきにくいのは、どのタイプでしょうか。わかると思いますが、2番目の「成功パターン固執型」が最も現状維持の自覚がありません。その理由は下記のとおり。

  1. 過去の成功体験があるため、自信過剰になりやすい。これが成功パターンだと確信を持ってしまう。これで完成だと認識してしまう。
  2. 成功パターンに固執するあまり、他人の意見を聞こうとしない。聞きたくない状態。自分が他人に教える立場にあるとカン違いしてしまう。
  3. 成功の余韻に浸っているため、変化の必要性を感じにくい。成績も上下していても安定していると認識してしまう。下がるまで認識しない。

この成功パターン固執型のタイプの人は、成績が明らかに下降し始めてから初めて問題に気づくことが多い。3割ダウン、4割ダウンになってから認識するのではないでしょうか。しかし、その時になると、すでに手遅れになっている可能性があります。そのため、挽回に時間がかかってしまうのです。

まとめ

現状維持は、短期的には安定をもたらすかもしれません。しかし、長期的には必ず問題を引き起こします。特に、過去の成功に甘んじることは非常に危険。そこにはやく気がつくには「他人の意見に耳を傾ける」ことからです。まわりの人の方が気がつくものです。しかも心配して伝えてくれる人もいるので、耳を傾け素直に受け止めることでしょう。振り返りながら、自分のタイプを見極めていきたいです。

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