こうなるだろうが決める
「自己実現的予言(self-fulfilling prophecy)」という言葉があります。人が将来を「こうなるだろう」と予想し、その通りに行動することで、現実もそうなってしまうことを指す言葉です。わかりにくいので、たとえてみます。
1)明るい見通しを予測すると→購買活動も活発化し→景気が循環し→好景気になる
2)先行き暗い見通しだと→買い控えをするようになり→景気が停滞し→不景気になる
のです。
予測自体がきっかけとなり、現実をつくり出していく現象のことを自己実現的予言と呼んでいるわけです。消費行動に影響を与える内容であり、予測次第で良くもなり、わるくもなるのがここではわかります。
株価も
株価のことを考えると、この自己実現的予言が当てはまることに気がつきます。業績が右肩上がりの企業であっても株価が下がることがあるからです。業績が上昇しているにも関わらず株価が下がるときは
・業績は良いが先行きはあやしい
と予想している人が多いから株価下落になってしまうのでしょう。もしこれが、業績は良いので先行きも明るいと予想すれば株価は上がっていくはずです。
不動産も
不動産価格も同様です。需要と供給で不動産価格は決まりますが、ニセコや白馬のようにインバウンドの期待が大きくなると、不動産価格が急上昇します。人が大勢やってきて、景気が回ることを予想するからです。最近では、新潟がニセコ、白馬の次の人気スポットになると期待されています。そこに不動産投資も集まってくるでしょう。
会社も
会社の業績も自己実現的予言が当てはまることもあるでしょう。
1)会社の先行きが明るいと感じる→行動→結果
2)会社の先行きが暗いと感じる→行動→結果
を考えてみるとわかると思います。同じ地点から出発しても全くちがうゴールになることは想像できるでしょう。
まとめ
事例から考えてみましたが、自己実現的予言は課題を解き明かす視点としては有益だと感じます。スタート時にどのように予想するのかによってゴール地点が変わってしまうことを自覚すれば問題発生を防げるからです。チーム運営をスタートさせるとき、メンバーがどのように先行きを感じているかを気にすれば、目標達成はしやすくなるでしょう。明るい未来を感じながら行動できるような環境を構築することがここではリーダーの役割だとわかると思います。
(下記動画は上記文章をAIで読み上げさせています。人の動きもAIが自動生成しており撮影はしておりません↓)
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