国債金利上昇なので下落

日本の国債の金利が上昇しているので、国債を保有している企業で含み損が出ています。以前から保有している国債の金利が低いので、保有し続けると損失が出るのです(債券価格の下落)。たとえば、
・20年発行40年13回債→元本の半分以下まで下落している
状況なのです。以前の国債より新しい国債の方が金利が高いので、新しい国債を保有した方が利益になるため、下落が発生するのです。

減損処理する、しない

そんな中、生命保険会社で国債の含み損が拡大していることが報道され始めました。
・日本生命:国内債の含み損が3倍に拡大(3.6兆円)
・ソニー生命:公社債1兆3667億円、外債8770億円の含み損(25年3月期)

このような状況下では、決算時に国債の下落分を「減損処理」しなければなりません。それを防ぐために、
・保有国債売却
を検討しているようです。実際に国債売却を実行している企業もあると推測されます。このような動きは公開されるわけではありませんので、実施後の結果しかわかりません。ただ、国債金利の動きを見ているとある程度想像できる範囲です。生命保険会社や金融機関の判断や意思の集積が結果になってあらわれてくるからです。

選択肢で迷う

保有国債を
・保有し続ける
・売却する
という2択の判断さえ、ここでは迷います。売却をすれば損失が確定します。その結果がすべてです。保有し続ける場合は
・価格上昇
・価格維持
・価格下落
の3択になります。価格が戻る場合は損失が減るので保有継続のメリットが出ます。さらに価格下落になった場合は、保有継続の判断の誤りになってしまうのです。今後の国債金利の動向や新規国債の売れ行きによって判断することになるでしょう。厳しい局面です。

まとめ

今後は、日銀の判断と生命保険を含む金融機関の判断の動向に注目です。外資の金融機関も判断していくので、その決定が経済を動かしていくでしょう。その判断は最終的には人間が判断しているのを実感します。

(下記動画は上記文章をAIで読み上げさせています。人の動きもAIが自動生成しており撮影はしておりません↓)

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazsine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ 藤原毅芳 運営 執筆 from2011

日本生命、国内債含み損3兆6000億円と3倍超に拡大
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-05-23/SWOO03T0AFB400

ソニー生命、減損処理回避へ国債売却含め検討
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-05-22/SWJD0PT0G1KW00