新古車競争
走行距離ゼロの中古車のことを「新古車」と呼んでいました。今は見かけることがなくなった言葉です。新古車とは、新車在庫が増えると発生します。販売店が売れない在庫をナンバー登録し、登録台数に加算します。すると売れたように見えるのです。その登録後の在庫は最終的にそのまま中古車販売店で販売される現象です。なので、中古車なのに走行距離が50km程度の新車が中古車販売店に並ぶのです。以前、日本では、「新古車専門店」が流行った時代もありました。軽自動車の分野で、2大メーカーが激しい競争をしていたからです。スズキとダイハツです。現在は、そのような現象は無くなりました。見ることもありません。
調子がいいはずなのに中国EV
中国で新古車があふれているようです。「中国商務省が東風汽車集団やBYDといった業界大手を招集して実態調査を行った」とニュースが流れてきました。調べてみると、「オンライン中古車仲介」サイトで新車が並んでいるようです。BYDは販売台数が伸びており、決算もわるくありません。しかし、流れてくるニュースを見ると
・仕入れの部品メーカーへの支払いが遅延(6ヶ月以上)
・在庫増加、在庫過多
・長期在庫車の値引き販売
と断片的に流れてきています。今回は、新古車問題として記事が出てきました。
情報を編集して予測
記事に出るのは部分的であり、断片的。その情報を集めながら編集すると実態が予測できます。中国EVメーカーは販売台数では好調です。決算数字もわるくありません。しかし、その裏側で、支払いが遅延していたり、在庫が増加しているならば、決算の数字は実態と比較しながら読み解くべきでしょう。販売台数が伸びているのは事実だと思いますが、その他もすべて良いわけではないのです。
まとめ
中国EVの実態はまだ公開されていませんが、継続性は低いと感じます。無理して安値で販売しているのが実態ではないでしょうか。在庫過多のときは、安値合戦が繰り広げられます。市場規模に見合った供給量へ収束していくと思います。今後の動きも注目です。
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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazsine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ 藤原毅芳 運営 執筆 from2011