年1回の統計データ公開に
中国の統計データ。公開する回数が減っている統計があります。それは
・失業率
です。年数回の公開をしていましたが、現在では年に1回。都合がわるくなると回数が減るのでしょうか。
今回注目は、若者の失業率の悪化。
・18.9%
になっています。16歳から24歳までの人の失業率です。5人に1人が失業している計算です。今年大学などを卒業する人が
・1200万人
いるので、計算上200万人以上が失業することになります。日本の人口規模に換算すると新卒の方が10万人〜20万人程度が失業することになるでしょう。
なぜ
新卒を含めた若年層の失業率が高いのには理由があります。
・大卒の急増
・ホワイトカラーの求人が少ない
・ミスマッチが起こっている、市場が求めているのは工場労働者やサービス従事者
・景気減速
と言われています。建設業、製造業を拡大してきた中国。現在建設業回は不振ですが、製造業はまだ労働者を求めています。しかし、新卒の方は、高い賃金を求めているのでミスマッチが発生しているようです。
製造業の将来
製造業では人手不足が生じていると将来性は限定的になっていきます。ただ、現在中国の製造業は規模が大きく、優位性も発揮されてきています。日本のメーカーも中国企業と提携しているのを見ると、レベルは低くないと感じます。実際に中国の工場を視察した人は規模の大きさに驚嘆することがあり、その報告を受けることもあります。グローバルの視点で見ると、日本の製造業が強かった、というのも過去になりつつあります。製造業の規模で負けているのは事実のようです。
まとめ
採用のミスマッチが発生し、若年層の失業率が高い中国は、成長率が鈍化するのは予想できる内容です。規模の限界も出てくるのかもしれません。しかし、大量に製造した製品を世界中で格安販売する手法は今後も続くでしょう。販売力もあり、価格訴求力もあるので、今後も各地でシェアを広げる可能性はまだ高いです。米国の関税により米国への輸出は減るかもしれませんが、その分他の国へ販売することは容易に想像できる内容です。中国の統計データはリアルタイムで公開されない状態が今後も続くと思うので、後から実際の現状を知ることになるのも、今後も続きそうです。
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