待ってしまう

「誰もちゃんと教えてくれない」
「ウチの会社には、まともな研修制度がない」
そう感じたことはありませんか?。新しい職場、新しいプロジェクト。右も左もわからないのに、周囲は忙しそうで、手取り足取り教えてくれる気配もない。
多くの人はここで「待ち」の姿勢に入ってしまいます。
・マニュアルが配られるのを待つ
・研修が組まれるのを待つ
・誰かが指示してくれるのを待つ。
しかし、残念ながら、その「待ち」の姿勢こそが、成長を妨げる最大の壁になっているのです。

つかみとると考えた方が

成長は「与えられる」ものではなく、自ら「つかみとる」ものです。その前提で考えた方が楽です。待っていても何も進まないことがあるからです。与えられる環境に慣れていると、自らつかみとることを忘れてしまいがち。そうならないようにしたいものです。

仕事を盗む

こんなエピソードを目にしました。
『(海外に赴任後)周囲は何を教えてくれるわけでもない。オフィスに散らかっていた周りのスタッフの書き殴ったメモを拾い集め、彼らが何をやっているかを毎朝毎晩必死に研究した。』
という内容です。

待っていても誰も教えてくれない状況下で、仕事を盗むしかないと感じたのでしょう。その行動が上記のような内容だったのです。これには個人的にも経験があります。リーダーに質問をし続けた時期がありました。しかし、忙しくて詳細には教えてくれなかったのです。だから、リーダーの仕事内容をすべて把握しようとしました。作っている資料の内容や電話の内容を見ないふりをしながら把握しようとしたのです。すると、どのような流れで仕事を進めているのかがわかり成長のきっかけになったのです。

習得ステップ

では「仕事を盗む」ために、具体的に何をすればよいのでしょうか。そのプロセスは、3つのステップに分解できます。
①観察と収集(拾い集める)
* 上司や先輩が送ったメール(CCに入っているもの)
* 過去に作成された企画書や提案書(共有フォルダにあるもの)
* 会議で使われた資料や、メモ書き
* 先輩がクライアントとどういう電話応対をしているか(耳を澄ます)

②分析と本質の特定(着目する)
* 「なぜ、この提案書はこの構成なのか」
* 「なぜ、あのリーダーはあのタイミングであの発言をしたのか」
* 「共通して使っているフレームワークや言葉は何か」

③徹底的な習得(完全に習得する)
* リバースエンジニアリング→その企画書を、自分一人でゼロから再現できるか試してみる
* 仮想シミュレーション→あのリーダーなら、この場面でどう判断するかを想像してみる
* 知識の補強→わからない専門用語や理論が出てきたら、書籍やネットで「研究」し、背景知識を補う

まとめ

まわりの人の仕事を見て、仕事を覚えるには、能動的でなければなりません。待っていても何も進まない。そのため、次のプロセスを知っておくべきでしょう。
・観察: 周囲の成功事例にアンテナを張る
・分析: 法則性や考え方、判断軸を知る
・習得: 自分のスキルとして自分のものにする
これが、仕事を盗むことであり、自分を成長させる自走的内容です。

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