「売れない在庫」が急増

都心3区(千代田・中央・港区)の中古マンション市場の状況が変わりましたね。
・2026年1〜3月成約件数:前年比1割超減少
となったようです。全体では微増しているにもかかわらず、都心部だけが「一人負け」の状態。

在庫数も増加してきました。2025年3月に約3,000件だった在庫は、わずか1年で約4,200件へと4割も膨らんでいます。単純に現在の販売価格では買う人が減ったということ。都心のマンションは高騰しており、実際に住むのではなく投機として購入する人がいたからです。海外の肩が買っているという認識もあるかもしれませんが、実際には日本人が購入し、引っ越しもせず所有だけしていたのです。

さらに注目すべきは、売出価格と成約価格の乖離。この差も大きくなっています。数億円のマンションは減額しながら販売している事実もあります。価格の高騰は、
・最後には買わなくなる
だけ。そこまでは上がり続け、最後にはピークを迎えるのです。

部分的、一部分だけの話

この現象は都心の一部分だけの話。日本全体の話ではありません。あくまでも部分的な話です。マクロの視点で見れば、日本のマネー量がコロナ禍で急増したので、その一部が都心の不動産にまわっていたという解釈も成り立ちます。マネー量が増えるほど、株価や不動産の価格が上がる現象です。

現在、日本はマネー量を減らしつつありますが、ここに来て、食品消費税減税やガソリン補助を追加投入するならば、またマネー量は増加することになりいます。不動産や株価だけでなく、回り回って物価も上がっていくことになるでしょう。

建売は高騰したので

戸建の分野は価格が上昇したので新築が減少中。そのため、建売が増えています。建売の場合、
・売れる金額
を最初に設定します。そこから、土地の仕入れ、建設費を逆算します。だから、購入しやすい。

最近の特徴としては、
・土地の広さが限定
・建物床面積限定(平屋)
となっています。建替え時期が来ている団地の区画などは
・1/2に分割
して建売販売をしています。数十年前の半分の土地面積で提供しているので、価格も購入しやすい価格帯に落ち着いています。

まとめ

都心マンション市場の変調や地方の分譲の状況を見ると、現在の日本が見えてきます。
・金利の動き
・担保価値の変動
・地域経済変化
が見えてくるのです。

これらはすべて経営判断に影響を及ぼすテーマ。不動産を直接扱わない企業であっても、「うちには関係ない」と目をそらすのではなく、逆に関心を持って情報収集すべき分野だと思います。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ 藤原毅芳(fujiwara takeyoshi) 運営 執筆