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~経営には優先順位がある~経営コンサルタント藤原毅芳執筆
安全装置
シニアの自動車事故がメディアで取り上げられています。
そのとき「安全装置が」といった話題が出ています。
安全装置があれば事故は発生しないのではないか、という
議論です。
確かにそうなのですが、メーカーも安全については
考えて機構をつけているはず。
その際、安全装置がどのような発想で設計されているかを
知っておかなければ判断ができません。
なので基礎の部分ですが取り上げてみたいと思います。
そして、その安全対策思想がビジネスに応用できるのかを
見ていきます。
![エレベーター](https://www.businesscreation.jp/wp-content/uploads/2019/06/AL203elvdoki320140830110541_TP_V4-300x213.jpg)
安全装置の種類
安全装置には種類があります。今回は
- フェイルセーフ
- インターロック
- フールプルーフ
を取り上げてみます。
フェイルセーフ
個人的なことですが30年ほど前に「フェイルセーフ(fail safe)」の
概念を知った機会がありました。
書籍『フェイルセイフ神話の崩壊』 武谷 三男 著
https://www.amazon.co.jp/dp/4764500698/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_HNydDbKJH0369
当ブログでも「フェールセーフとは」という内容で一度
取り上げています。(航空機事例)
フェールセーフとは「エラーが発生したときに安全に制御する」こと。
根底には「必ずエラーが発生する」ということがある発想です。
故障やエラーが起こったときに「安全側に停止させる」「稼働を止める」
「安全な動作をさせる」等があります。
![飛行機](https://www.businesscreation.jp/wp-content/uploads/2019/02/NS642_derutankuukouhuraito_TP_V4-300x225.jpg)
インターロック
インターロックは、特定の操作でしか稼働しない、条件以外のときは
停止するといった安全機構。
たとえば
自動車はドアがすべて閉じていなければアクセルが反応しない。
鉄道も同様。すべてのドアが閉まっていなければスタートしない。
エレベーターも同様に各階すべてのドアが閉まっていなければ
動かないようになっています。
他にも飲酒運転撲滅を目指した「アルコール・インターロック装置」も
提唱されています。
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha07/09/091002/04.pdf
![電車](https://www.businesscreation.jp/wp-content/uploads/2019/03/keikyuFTHG9228_TP_V4-300x200.jpg)
フールプルーフ
フールプルーフとは直訳だと「バカよけ」になりますが、
現在では「ボカヨケ」と呼ばれています。
意味は、初心者が扱ってもミスが起こらない仕組みをつくること。
熟練した人だとミスはしないが非熟練の人だと「無知」から
発生するミスを防ぐ機構、仕組みです。
人の注意力には限界があること、ミスは当然のごとく発生する、
ということを前提条件にしています。
たとえば、
洗濯機は稼働中にはフタが開かない、開いたとしても止まる。
カメラのバッテリーは入れ方がひとつになるような形状で
つくってある。
それにより無知の人が無理やり行動しようとしてもミスが
起こらないのです。
![コインランドリー](https://www.businesscreation.jp/wp-content/uploads/2017/03/N695_huruicoinrandori-_TP_V-1-300x276.jpg)
まとめ
安全対策思想は万が一のミスも許さない姿勢がそこにあります。
ミスが生命に直結する場合があるからです。
こうした安全工学はビジネス全般にも応用が可能。
というのも、ビジネス(経営)も同じだと感じているからです。
ビジネスのエラーが発生したら「フェイルセーフ」を発動する。
安全な領域へ移動すること。
ビジネスでプロジェクトを進めるときに、大きければ大きいほど
合意形成ができなければ進めないようにインターロックをする。
スピードは落ちますがミスは発生しない。
フールプルーフを社内に落とし込めば、経験値が浅い人でも
担当することができる。
失敗、ミスがなくなる。
どれも万が一のことが起こらないようにすること、もし起こっても
安全な領域へと導くことはビジネスでも生命線。
この安全対策思想はビジネスでも有効だと感じます。
今後、世の中は数年かけて混乱期へと入ります。
安全対策はビジネス、経営においても必須な時期に来ていると
感じます。