経営にとって粗利の設定は重要な仕事です。

この設定された粗利%を営業さんがどこまで

意識しているのかで、全体の業績は大きくちがいます。

<原価意識を持ちなさい>

<利益率を考えて行動しなさい>

と現場では教えているはずです。

経営のために会計を教えるのですが、

【粗利に対するこだわり】が結果的に

営業力を決定する要因にもなっていると

感じています。

ようるするに

【粗利に対して】厳しい:【営業力】高い

という関係が成り立っています。

設定された粗利%を下回るとき、営業さんに

リーダーがどんな対応をするのか。

「これ以上、1%も下げられない」

と言い切れるのか。

リーダーがそう言い切れば、他のクロージングを

営業さんは考えるしかありません。

これによって、営業力が上がるのです。

値下げは一番簡単なクロージングなので営業さんは、

どうしてもそこに行きたがります。

しかし、クロージングは<値引き>だけではありません。

その意識に変化できるか、どうかがカギになります。

これに対し、逆は、

 【粗利に対して】ゆるい:【営業力】高くない

となります。

1人の営業が設定%より低い受注をし始めると

瞬く間にその部署の8割が同じことをやりはじめます。

<値下げ>で受注するクセがつきはじめ

営業力で受注する努力を怠るようになります。

提案する内容がどんどん薄くなりはじめるのです。

さらに、粗利を下げるため、最終の利益が会社側に

確保できません。

これでは、負のスパイラル。

価格戦略(低価格)の方針をとれる企業は

大手の中のほんのひと握りだけです。

業界トップクラスの会社だけなので、

自分たちの会社は、「価格戦略を選択できない」、

と社内に伝えることが優先です。 

 また、粗利を1%でも向上させることができれば

大きく経営が転換する会社も数多く見てきました。

この1%の積み上げが経営全体にとっては、

大きな前進になることがあります。

この時期に、今1度、見直してみるのも

ひとつの方法だと思います。