経済は、円高という端に大きく振れています。
よく言われることですが、
片方に振れ幅が大きければ、反動で
逆方向に大きく振れてしまう可能性が高い。
日本の円高という状況も、その可能性を
指摘されています。
円安論者の意見を見てみますと、
国債売れ残り(デフォルト)→長期金利上昇→円安
という流れを予測しています。
1ドル=200円〜3000円
という予測まで出てくる時代です。
3000円というのは、起こるはずがない、
と考えるのではなく、なったときにどうしようか?
と思考すること、だそうです。
【まさか】の時もシミュレーションしておく、
ということですね。
そうなると、経営も同時並行で【逆張り】を
しておかなければなりません。
【円高】だから輸入に目を奪われがちですが、
同時並行で【輸出】も視野に入れて準備をしておく。
なぜなら、逆に振れるときのタイミングが短期間で
起こる可能性があるからです。
急激な【円安】になったときでは、遅いかもしれないのです。
為替予約も同じように考えます。
以前、輸入商材を販売する会社にいたのでわかりますが
為替差損のリスクを減らしたい時に為替予約をします。
これも、為替予約でプラスになっているときはいいですが、
マイナスが続くと、嫌悪感が出ます。
しかし、為替予約のマイナスは、本当にマイナスなのでしょうか。
というのは、為替予約の結果が、1年毎に
【1年目】▲1千万円、【2年目】▲1千万円、【3年目】+5千万円、
であれば、結果+3千万円。
最終的に、帳尻が合います。
為替予約をしない場合、
【1年目】0、【2年目】0、【3年目】▲5千万円、
で、結果は▲5千万円。損が出ます。
ようするに、考え方、捉え方なのです。
リスク低減は、保険と同じですから、掛け金を払っている
ようなものです。
損が出るから止めるものではありません。
大きな損が出ないようにするためのリスクヘッジです。
そこに、掛け金の発生しないリスクヘッジは存在しません。
このように、一方的な視点だけで見ることは
経営にとってリスク以外の何ものでもありません。
常に両極を視野に入れつつ、同時並行で進めて行くことが
求められているのです。