【fjコンサルタンツ365日Blog:3660投稿目】
支払い許容額は変化する
人がモノを購入する時の
【支払い許容額】
は変化し続けます。
ビジネスをする側から見れば、支払い
許容額が上がることを目指していますが
中には思いっきり支払い許容額が下がって
いる商品サービスもあります。
音楽は1/10になり最後は0円で聴くものへ
たとえば音楽。
音楽といえば購入して聴くものでした。
アルバム10曲程度をまとめて購入する
形で提供されていたのです。
そうでなければラジオやテレビで聴く
しかありませんでした。
それがレンタルという形で安価になり
デジタル化されてからは1曲ごとに
Download購入する形へと変化して
います。
YouTubeなどの動画サイトでは無料で
聴くことができるので実質的には0円
の感覚になっています。
アルバムを購入していた時は
・3,000円前後
の価格帯でした。
レンタルでは、その1/10の
・数百円(300円程度)
にまで下がりました。
それが今では1曲100円のDownloadに
なり、動画サイトでは無料という形まで
変形してきています。
消費者が支払う金額の単位は
・3,000円→300円→100円→0円
という変遷を辿っていることがわかり
ます。
購入する曲数には違いがありますが
購入できる最低ロットの金額の推移が
このような形で変化しているのです。
要するに、一度に財布から出ていく
金額は一気に1/10へと減少しているのが
わかります。
書籍も同様な動きになりそうです
書籍も音楽と同様な流れを辿って
いるように感じます。
書店でリアルな書籍を購入する時は
1冊1,500円程度でした。
これが電子書籍になった途端に価格帯
が一気に下がったのです。
年末年始などは電子書籍は50%オフや
70%オフといったセールを出版社が
しかけてきます。
その冊数も大手出版社だと1,000冊
以上の書籍が対象になっています。
電子書籍の値引きは金額を引くのでは
なく、ポイントを与えるという方式
なので実質の値引きではありません。
しかし消費者の感覚としては書籍が
・数百円
で購入できる感覚へと移っていくのは
当然の成り行きでしょう。
また出版年度が数年前の書籍について
は最初から大幅値引き(ディスカウント)
した価格で販売されているのも目に
つきます。
価格帯は300円前後です。
そうなると価格帯の推移としては
・1,500円→500円→300円
という推移になってきます。
このような感覚になると1,500円の
書籍を購入するのはハードルが高く
なってしまいます。
しかもAmazonが定額制読み放題を
スタートさせているので定額で読ん
でいる時は0円で読んでいるような
錯覚にもなっていきます。
感覚が変わるとお金を支払うことの意味が変わる
このように1回で支払う金額が変化して
いくと消費者の中でお金をこの商品サービス
に支払うことの意味を考えるようになります。
金額と価値が合っているのかどうかを
見極めるようになってくるのです。
書籍は販売から新しい形態へと試みがなされ
ています。
入場料を支払う本屋:文喫
がオープンしました。
入場料1,500円を支払えば時間無制限で
本を読むことができます。(営業時間内)
もちろん書籍を購入することも可能です。
落ち着いた場所で本に囲まれながら過ごす
ということに価値を置いています。
消費者もその価値に1,500円を支払って
いるのです。
1回に支払う金額が段々と減少する時は
違うポイントで価値を見出すことに
なります。
ビジネスモデルとスライドさせていく
という表現になると思います。