【fjconsultants365日Blog:3691投稿目】藤原毅芳執筆
定価って何だったのかを考えてみる
価格設定ほど経営を悩ませるものは
ありません。
価格で商品・サービスの売れ行きが
左右されるからです。
しかし、一定の価格で提供していると
売れ行きがだんだんと伸び悩んだり
してくるのです。
そのため定価販売というのは過去の
なりつつあります。
時期によって変動する価格体系が
ここにも、あそこにも導入され
最後はほとんどの業界で変動制が
採用されていくのでしょう。
書籍も価格変動へ
書店での書籍販売は特殊な制度が残っている
業界のひとつです。
(電子書籍除く)
再販制度です。(再販売価格維持制度)
商品をつくっているメーカーが定価販売を
小売店に約束させている制度です。
そのためエンドユーザーは定価以外で
購入することができません。
再販制度は小売店にもメリットがあります。
定価販売を約束するかわりに商品を買取り
して在庫する必要がありません。
在庫リスクがないのです。
時間が経過した商品は返品することが
できるようになっているのです。
そんな業界に変化が
そんな再販制度の書籍販売業界に
変化が出てきました。
Amazonが書籍を買い取り仕入れ(買い切り)
を行いはじめるというのです。
売れ残っても返品しないということ。
買い取り(買い切り)ということは
買い取り後の価格をAmazonが自由に
設定する可能性がある、と報道されて
います。
出版社と相談しながら値下げもするの
ではないか、とも書かれてあります。
書籍の定価販売がいつまで維持されるのかを
注目していた人も多いのではないでしょうか。
電子書籍では価格は変動制が一般的になって
います。
時にはセールしてみたり、出版から時間が経過
した電子書籍は半額程度に値下げされて販売され
たりします。
書店での書籍販売も同様な動きになっていく
可能性が高くなりました。
これも時間の経過とともに徐々に変化していく
事象です。
【出典】https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20190202&ng=DGKKZO40786350R00C19A2TJ2000
ネット通販では価格変動回数が天井知らず
ネット通販の業界では価格が変動する
ことが当たり前になっています。
その都度、価格を変動させて販売量の
確保をしています。
価格.comで販売価格トップを狙っている
企業は24時間体制で価格を修正する人を
配置していたりします。
価格変動を自動化している企業になると
1日の価格変動回数は人間の領域を超えて
数万回、数十万回、数百万回、数千万回と
いう世界に突入しています。
価格変動は顧客が慣れているかどうか
価格変動が当たり前の業界では顧客が
価格変動を受け入れています。
ガソリンスタンドのガソリン価格の
表示が毎日のように変動しても誰も
文句も言いません。
それが当たり前だと認識しているから
です。
顧客経験が蓄積されているからです。
ネット通販でも同様です。
顧客の経験が蓄積し価格変動に慣れて
きています。
書店の書籍販売も時間はかかるかも
しれませんが価格変動を受け入れて
いくのではないでしょうか。
価格変動の世界では価値を判定される
価格変動の世界に突入すると商品サービスは
価値判定されてしまいます。
新しいとか古いという基準で価格が決まる
のではなく、価値があるかどうかで判断
されていくのです。
価値がある商品は発売されてから時間が
経っても価格が下がることはありません。
逆な場合は、発売後に価格が下がってしまう
こともあるということです。
イメージとしては株価変動のような動きを
するということです。
頻繁に価格が変動するとなると買う側も
緊張感が出てきます。
ビジネスホテルなどは直接予約をする
場合とネット予約で宿泊料金が違う
こともあり「失敗したな」と言う
声を聞いたこともあります。
人は損したくない生き物なので価格変動が
取り入れられると購入することに慎重に
なりますが、お得感がある商品に限っては
即購入するという習性があります。
その点を考慮しながら価格変動を取り入れて
いくことだと思います。