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~1日3分、3ヶ月で1冊分の知識転移~経営コンサルタント藤原毅芳執筆

サブスクリプションの広がりはどうか

サブスクリプション(定額制)について。
名前は聞くようになったが実際には広がっているのでしょうか。
動画見放題、音楽聴き放題といったソフト面のサービスは
定着しつつあります。

それ以外はどうなのでしょうか。
以前、

『経営者視点でサブスクを定点観測してみる』

https://www.businesscreation.jp/2019/03/26

で広がっている分野と撤退組企業について解説しました。
今回は飲食業界(外食業界)のサブスクについて見ていきます。

コイン

飲食業界では定額制(サブスク)の成功事例が

飲食業界では「定額制」の成功事例がいくつか出てきています。
たとえば

  • 居酒屋飲み放題定期券
  • コーヒー飲み放題カフェ

という内容。
ただ、他社では撤退、もしくは定額制へ踏み切れない企業も
あります。

その差は何なのでしょうか。

来店頻度(回数)が読めない

飲食の場合、1日1回利用できる定額制がほとんどです。
毎日利用可能。
実際には何回来られるのか?
ここが予想しにくい。
コーヒーの飲み放題では、

「週5日営業で1人あたり月16回の利用を見込んだが、足元で22.8回と想定を大きく上回った」

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO44854080V10C19A5TJ1000/

という計算違いが発生しています。
そのため当初の利益計画が崩壊。
利益が出なかったのです。

そこで来店時にサイドメニューを薦めるようにしたところ
売上が安定し損益分岐点を越えてきたのです。

いわゆる客単価をアップさせるためにオプションを
お薦めする「クロスセル」方式。
「こちらもいかがですか」
と紹介するだけで売上をアップさせる手法で乗り切っています。

カフェ

客単価が計画できない

定額制の場合、飲み放題定額だと「同時に2品は注文してください」と
注意書きが書かれている場合があります。

単なる飲み物だけを頼まれても店側は儲からない。
その時に、料理で売り上がる金額が確定できればリスクが減ります。

おおよそ最低1,000円は料理を注文すると仮定すれば客単価が
予想でき安心して定額制へと踏み切ることができます。

居酒屋

採算が取れるか最終判断できない

最終的な経営判断は「リスクをわかりながら実験できる」ことから
スタートです。
特に、こうした新しい料金体系は未知の領域。
試してみなければわからないことも多い。

滞在時間、注文内容もデータを取りながら考えるしかないのです。
もしリスクが大きく感じて踏み切れないのなら、「期間限定」で
試すことです。

もしくは定額制会員を限定数だけ提供してみること。
制限内でテストをすることでリスクを回避するのです。

まとめ

サブスクリプション(定額制)はまだ試行錯誤の業界もあり
今後、定着するかは定点観測していくつもりです。

単にサブスクを取り入れるだけだと売上は下がりますし
収益も落ちていきます。
それをカバーするメニューや施策、ノウハウが必要。
そこが経営の腕の見せどころになるのです。

こうした価格体系が新しく刷新されることは消費者にとって
歓迎されることなので今後も広がってほしいと思っています。