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~経営には優先順位がある~経営コンサルタント藤原毅芳執筆
時短を試したが
コンビニエンスストアは現在24時間営業を継続することが
難しい時期に来ています。
問題は人材難。
コンビニエンスストアオーナーは人材が不足すれば自分たちが
シフトに入ることになり消耗戦となりつつあります。
そのためコンビニエンスストア本部は「時短営業」を試しています。
個人的には時短は失敗すると予想しておりました。
ではどうなっているのでしょうか。
その結果が部分的に公開されつつあります。
たとえばファミリーマート社長はインタビューで次のように答えています。
6月に始めた時短営業実験の状況は。
日刊工業新聞 https://newswitch.jp/p/18330
「想像以上に悪い数字が出ている。夜間営業をやめると顧客は離れ、競合店に取られる結果が露骨に出ている。納品時間の変更は逆にスタッフが集まらず、コストがアップした店もある。十分に検証して仕組みを作っていく」
と想像以上に悪い数字が出ているようです。
試みられている時短のパターンは
- 実験1:日曜日のみ、営業時間は5時〜24時もしくは5時〜1時。場所は東京と長崎
- 実験2:毎日、営業時間は7時〜23時、5時〜24時、5時〜1時。場所は東京と秋田
となっており、店を閉める時間は1日あたり4時間〜8時間。
想像以上に悪い数字というのは、4時間しか店を閉めていない店舗でも
大幅な売上減少が発生しているのでしょう。
コンビニエンスストアは24時間営業とそれ以外を比較すると通常
3割以上売上金額に差が出ると言われています。
もともとコンビニエンスストアはあとから24時間営業に切り替えて
いったので、この内容についてはノウハウを持っていると思います。
なので、24時間営業は死守したい。
しかし、このままでは死守できない。
いったん試してみてオーナーさんに納得してもらおうと考えているのでは
ないでしょうか。
そのような気がしています。
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時短というジレンマ
コンビニエンスストア業界は今後どうなるのでしょうか。
人材不足による閉店が出てくるのではないでしょうか。
その前に時短営業を採用するかどうか。
いまその判断に迷っていると思われます。
どこかのコンビニエンスストア会社が時短営業を採用すれば
一気に業界はその方向へ進むと思います。
しかし、最初に時短営業を決断し1社だけ売上を下げるのは
経営者としては苦しい判断のひとつになってしまいます。
各社、他社の様子を我慢しながら見ている状況だと言えます。
そのため、本部の人たちも店舗作業の応援に入っているようです。
少しでも軽減できるよう動いていますが、抜本的な解決には
至らないので我慢比べはまだ続くことでしょう。
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まとめ
今年、来年は人材不足による店舗の営業時間を短くする
業界がさらに増えそうです。
飲食チェーン店では24時間営業を止めた会社もあります。
それ以外の業界でも増えていくのではないでしょうか。
便利な世の中を維持するためにはコストがかかるということです。
その点が是正されていく形になります。
適性なコスト、適性な労働へと落ち着いていくのでしょう。
コンビニが近くにあるから便利、というキャッチコピーは
過去のものになるかもしれませんね。