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~経営には優先順位がある~経営コンサルタント藤原毅芳執筆
同業の提携には限界がある
金融機関の提携が続いています。
最近の特徴は同業の提携だけではないこと。
流れが変わったように感じます。
スルガ銀行の再建も家電量販店ノジマが筆頭株主に名乗りを上げました。
福島銀行はSBIと資本提携を発表しています。
異業種との提携や吸収は今までにない形だと思っています。
その中で、福島銀行の社長コメントが個人的に目を引きました。
「銀行同士の提携には規模のメリットがあるが、ビジネスモデルを変えるには限界がある」福島銀行 加藤容啓社長談
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO52033380R11C19A1EA2000/
という内容。
そこまで言うところに
「リスクを負ってでも成し遂げたいこと」
があるのではないかと予想しています。
その点を考えてみたいと思います。
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リスクを取るとき
企業がリスクを取るときは「劣勢」の状況なことがあります。
リスクを取ってでも成し遂げたい理由があるのです。
この提携の前に様々な取り組みをしているはずです。
しかし、予想の結果が得られなかったのでしょう。
そのため今までの取り組みでは変えられないと判断しています。
ビジネスモデルまでは変えられないという判断です。
ビジネスモデルを変える
ビジネスモデルを変えることは容易ではありません。
企業規模が大きければ大きいほど難易度が上がります。
そのため、企業規模は「大きすぎず、小さすぎず」が変化に
追随しやすいのです。
変化に追随しやすい規模というのは、組織を変化させられるリーダー
の人数によって差があります。
組織を変化させられるリーダーが抱えられる人員は最大80名。
そう考えると、そのようなリーダーが1人しかいない場合は
100人前後が最適な規模になります。
組織を変化させられるリーダーが2人〜3人の場合は200名前後が
最適な規模になります。
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異業種との提携で変化するのか
異業種との提携について考えてみるとビジネスモデルの
変化まで到達できるのか?という疑問はあると思います。
到達する可能性はありますが容易ではありません。
というのも、異業種では文化、感覚が違い過ぎます。
衝突、あつれき、は普通に発生するでしょう。
それが当たり前です。
ビジネスモデルを変化させるということは、ある意味
外部を取り込んで衝突を起こさせることかもしれません。
同業ではそのような衝突が起きないので、異業種と手を
組んで衝撃を与える荒治療とも見えます。
まとめ
このように、異業種との提携が成功するとはかぎらないと
感じています。
しかし、業界内の提携ではエネルギーを発生させることは
無理という判断から新しい手法を選択したということ。
そこまで行き詰まっているのではないかと思います。
その前に自助努力で変化させられたら、異業種との提携まで
行う必要はなかったはず。
ただ、自助努力で変化させられる企業のほうが少ないのかも
しれません。
そこも企業の実力だと感じます。