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~経営には優先順位がある~経営コンサルタント藤原毅芳執筆

視点を抽象化へ

どこまで抽象的な視点で見ることができるのか?
具体的に見て判断することはできますが、それだけだと
大きな方向性をまちがってしまうことがあるからです。
抽象度を高めて事象を見ること、を毎日の中で訓練したい
ところです。

時間的にゆとりがあるとビジネスのことを考えますが
『売れるため』
という大義名分のために
【ムダ】
なことをしていることがあると気がつきます。

それ自体は現在のところ解決策がなく
致し方ないことなのですが、将来は
解決へと導いていくことが求められると
感じています。

ニュースを眺めながら、ムダを解決
しようとする取り組みを取り上げてみます。

無料レストラン

フランスでは、スーパーマーケットの賞味期限切れ食材の
廃棄が禁止されています。(2016年より)

特にスーパーマーケットで売り場面積が400㎡以上の店舗では
フードバンクなどの慈善団体と契約することが義務付けられて
いるのです。

そのためフードバンクなどの慈善団体の取り組みが活発化
しています。

パリでは一流シェフが無料レストランを運営しており
話題になっています。
運営は非営利団体の『Food for Soul』。
店舗名は『Reffetorio』。
https://www.facebook.com/RefettorioParis/
https://www.refettorioparis.com/index.html

refettorio

店舗は寺院の地下にあり、上記写真のように
雰囲気の良いレストランになっています。

食材はスーパーマーケットから賞味期限切れの
食材を受け取る。
その食材を見ながらメニューを考える。
スタッフはボランティア。
食事をするのは全員が路上生活者。
スタッフのボランティアは申込みが殺到している、
という話題も取り上げられています。

こうした取り組みがフードロスを減らしていきます。
賞味期限切れで廃棄される食材の量は

人の消費のために生産された食料のざっと3分の1が世界中で失われ、捨てられており、その量は1年当たり約13億トンになる。

国際連合食糧農業機関
http://www.fao.org/3/a-i2697o.pdf

となっています。
すぐにすべてのムダを取り除くことはできませんが、
ムダをムダと認識し、減らす取り組みが進んでいることを
感じます。

また、こうしたレストラン形式で提供する手法も認めていく
ことだと感じます。

非営利レストラン

フードロスとは関係ありませんが、食に関するボランティア
活動も取り上げてみます。

「非営利レストラン」という話題です。

たとえば米国の
https://jbjsoulkitchen.org/

非営利団体が運営しており、食事代の料金設定は
ありません。
払える人は10ドル以上の寄付をお願いしています。
そうでない人には、レストランでのボランティアを
勧めています。

話題になっているのは、この非営利団体を設立した人が
有名ミュージシャンだからです。

1980年代にヒットしたジョン・ボン・ジョヴィ氏。
この店のコンセプトは「無料レストランではない」こと。
理念として「HOPE IS DELICIOUS」が店舗内に描かれているそうです。

まとめ

ムダなことをし続けているビジネスが継続することは
あるのでしょうか。
答えはありませんが考え続けています。

ビジネスアイデアやテクノロジーがフードロス、食品廃棄の
問題に解決の糸口を与えていくとは考えています。
ただ、時間がかかることでもあります。

こうした課題は日本の事例より、海外の事例を見ていると
視野が広がります。
「できない」ことより「できること」を探していく分野だと
感じます。
そうした分野のことを考えるほど、視点が広がり、抽象化へと
つながると思います。