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~経営には優先順位がある~経営コンサルタント藤原毅芳執筆
廃棄を減らすには
期限がある商品は、廃棄率が経営では課題になります。
期限を過ぎると廃棄しなければならない商品は特に。
今までは、廃棄を減らすにはどうしていたか?
期限直前になると、一気にセール(値引き)を
していました。
・アパレルの一斉セール
・スーパーの夕方からはじまるタイムセール
・ビジネスホテルの当日空室セール
これが徐々に変わりつつあります。
スーパーも生鮮食料品にダイナミックプライシングを
導入しはじめています。
時間が経つにつれて価格を上下変動させるしくみ。
イタリアのスーパーでは、この価格変動型で廃棄ロスを
40%減らした事例が出てきました。
この流れ、日本でも取り入られようとしています。
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理系スタートアップ
日本でダイナミックプライシングのプログラム(アルゴリズム)を
つくっているのは理系スタートアップ企業。
たとえば次の2社。
・メトロエンジン社 https://info.metroengines.jp/
→代表は田中良介氏
・データクラフト社 https://datafluct.com/
→JAXAベンチャー企業。代表は久米村 隼人氏
両社とも期待値が高く、出資者(株主)の顔ぶれを見ると
それが理解できます。
今のところ、ホテル業界のダイナミックプライシング
プログラムを進めているようです。
その他は
・レンタカー業界
・不動産価値判断
・農業(収穫、価格設定)
・上場企業の業績予測
・都市立地適正化
に取り組んでいるようです。
1秒間に何度も変えられる
このダイナミックプライシングのアルゴリズムは
理論的には「1秒間に何万回でも変更できる」。
そこまでテクノロジーは来ています。
状況、環境要因、在庫数、売れ行きなどに応じて、瞬時に
価格を変動させられるのです。
こらからの経営者は理系を理解する必要があると言われるのは、
こうした技術の背景があるからです。
そんなことできるの?
そこまでできるわけ?
とテクノロジーの能力(限界値)を知っているだけで
経営の判断も変わってきます。
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技術によって
こうした理系の企業はコンセプトが明確。
技術によって世の中を変える。
そこが根本になっています。
ダイナミックプライシングのプログラムによって
生鮮食料品の廃棄が減少するなら、動機づけも強くなります。
目に見えて成果もわかります。
まわりからも称賛されます。
社会貢献をしていると理解できます。
理系を選択する人が減っていると言われていますが、
仕事のやりがいを考えたら、理系の人の方が充実感を
味わいやすいのではないかと思います。
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まとめ
ダイナミックプライシングは秒単位の世界へ到達しています。
しかも自動化された世界。
最適解は人間では到達できないところまで進んでいます。
それが日常に運用されようとしています。
この部分で経営の差が生まれるのかもしれません。
導入する・しないというより、知ることからでも遅くはありません。