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~経営には優先順位がある~経営コンサルタント藤原毅芳執筆
エアライン業界
5月から世界の航空会社エアラインが倒産すると予想が出ていましてが
5月を待たずに経営破綻が出ました。
オーストラリア第2位のヴァージン・オーストラリア航空。
https://www.virginaustralia.com/au/en/
急減した売上に対応できず政府の支援も途絶えた形です。
豪航空ヴァージンが経営破綻 新型コロナで需要急減:日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58292440R20C20A4EAF000/
現在の搭乗数を試算してみると
どれほどエアラインの顧客数が減少しているのか。
私が知りうる範囲で試算してみます。
ある地方都市の空港では1日5便(5往復)運航されています。
実質平均搭乗率を65%として計算してみます。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/koutsugakkai/51/0/51_169/_pdf/-char/ja
1便の座席数は166席。
(ボーイング737もしくはエアバスA320)
1便あたりの平均搭乗数は166✕0.65=108席
1日5便だと108✕5=540席
となります。
これが現在では1日1便の運航まで減便。
しかも1便あたりの乗客数は15人〜20人程度。
乗客数の減少は試算すると次のようになります。
15/540→3%
20/540→4%
3〜4%の搭乗数になると考えています。
ということは、乗客数の減少率は▲96%〜▲97%になり
ほぼゼロに近くなっています。
(売上は人によって価格が違うのでこの通りにはなりません)
今年はエアライン業界が取り上げられる回数が増加するのは
決定したようなものです。
それほどの激震だというのがわかります。
キャッシュ・イズ・○○○
キャッシュ(現金)の価値が上がっています。
下記は日本電産創業者(CEO)のコメントです。
「今はキャッシュ・イズ・キング(現金は王様)。企業の買収価格が去年より3割下がっているとしても、現金の価値は5倍や10倍に高まっている。同じ1億円でも去年と今では価値は全く違う。先が見えるまで安易な投資はしない方がいい」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58252910Q0A420C2SHA000/
現金の価値が上がっているというのは、資産(モノ)で所有するより
現金で持っていた方が良いという判断です。
投資も同様です。
安くなっているから投資すると考えますが、それよりも現金で
ホールドしておいた方が価値が高い時期にきている。
そのように判断しているのです。
経営において今は【現金(キャッシュ)】なのです。
バランスシート上で考えれば現金だろうと資産だろうといいのですが、
目の前の資金繰りではキャッシュが優先です。
給与をモノで支給しないのが普通です。
リーマンショック時に賞与の一部を自社商品(家電)で支給した
ケースはありますがレアなケースです。
まとめ
【現金に替えられないものはただのゴミ】と言い放った
経営者の方もいましたが、その通りなのかもしれません。
資産計上されていても買い手のつかないであろう資産や設備、
在庫は帳簿上のみ価値があり、即現金化できない。
これからの数年は即現金化できる価値で判断していく時が来たのです。
その点を優先して経営の判断する時期です。
『現金(キャッシュ)に価値が移動している』