fjconsultants Blog:4,590投稿目 fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆

技術を売る

楽天グループが楽天モバイル事業で独自開発した通信技術をドイツの企業に提供します。
技術を販売するのです。
この技術は、

通信の物理的な設備であるルーターを使わずに完全仮想化でまかなう

https://businesscreation.jp/2019/03/25/

すべて仮想化する技術。
クラウドで通信をまかなってしまう技術なのです。

https://network.mobile.rakuten.co.jp/area/cloud-network/

IoTの分野ではデータ通信のソラコムが同様な技術でサービス提供しています。

ビジネスモデルから考える

楽天はすべてを仮想化で行う、すべての回線で一気に仮想化を実現しました。
かなりハードルの高いチャレンジと業界では言われていたのです。
なので、その技術が他社に販売することが可能になったと言えるでしょう。

楽天モバイルは現在基地局を増やす費用、マーケティング費用がかかっており収益は上がっていません。
そんな中で仮想化の技術を販売するというのは、ビジネスモデルとしては興味深い。
新たな収益源としても有益な手段だと感じます。

購入するドイツの企業も新興企業なので、楽天モバイルのように業界地図を塗り替える可能性があります。
この仮想化は原価低減を一気に進める仕組みなので実現すると大きな収益が得られる可能性があるのです。
後発者利益と呼ばれる領域です。
先行者利益とは逆のビジネスモデルです。

まとめ

後から参入すると不利。
そう思われています。
しかし、そうとは限りません。
マイクロソフトもアップルも後から参入し、トップになっています。
特にマイクロソフトは、エクセル・ワードに限らず、現在のクラウド事業も後から参入しています。
しかも結果を出しています。

後発の場合、最短距離を目指すことが可能なので余分な出費がありません。
また、先行している商品・サービスの弱点を埋めるだけなので優位性が明確です。
通信の仮想化などのように、先行者が方向転換するのに費用と時間がかかる内容であれば先に行くことも可能です。

扇風機、スチームトースターで有名になったバルミューダが今度は5Gスマートフォンに参入してきます。
後発ならではの優位性が発揮されるのか今から興味があります。
https://www.balmuda.com/jp/news/997

トヨタ自動車も後発で電気自動車に本格参入するのか確認したいところです。

他にも後発で業界地図を塗り替える商品・サービスが出てくれば取り上げていきたいと思います。