fjconsultants Blog:4,592投稿目 fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆
不利な場面でも交渉
経営においては交渉ごとは普通に発生します。
こちらが優位な立場で交渉するならばさほど困りませんが、そうでもないときがあります。
不利な立場で交渉しなければならない場面です。
これは、企業規模によって変化することもなく大企業でも不利な立場で交渉しているときがあります。
こうした不利な立場の交渉について公開されることがないので事例を知ることは少ないと思います。
希少な内容なのです。
では、不利な場面で交渉するとき、何を準備すればいいのでしょうか。
何を考えて事前に交渉に当たればいいのでしょうか。
数少ない事例から
成功事例から見ていきます。
海外事例です。
アニメーション映画の制作会社ピクサー。
ピクサーの初期にディズニーと契約をしていました。
まだトイストーリーが出る前の時期です。
この契約では、圧倒的にディズニーが有利な内容になっていたのです。
これを1作目のトイストーリーの成功後、契約変更の交渉をピクサー側から行なっています。
契約社会において、契約後の内容を変更することはまずありません。
不利な立場の側から変更を依頼しても変更に応じてもらえないのが普通です。
なぜなら、契約変更をする義務もないからです。
このピクサーとディズニーの契約変更は、対等な契約内容へ成功した稀有な事例。
不利な立場から変更依頼をするピクサー側の準備は、緊張感のある内容だったようです。
お互いの立場を確認する。
ピクサー側とディズニー側の強み・弱みを書き出す。
その前提から突破口がないか探し出す作業です。
あまりにも不利な立場だったので、ピクサー側が変更依頼をするのをためらっていたようですが、最終的には契約変更の打診をしたそうです。
しかし、ディズニー側からは返答なし。
3回アプローチしても返答なし。
この交渉をあきらめていたのです。
時が経ちディズニー側の経営トップが入れ替わり、契約変更の交渉がリスタート。
ディズニー側からアプローチがあったのです。
結果、話がまとまった。
不利なときは譲れない領域を決めておく
不利な立場のときは、交渉がまとまらない、成功しないのが普通。
そうであるならば、こちらの主張は明確にしておく必要があります。
どこまで譲ることができて、ここからは譲れないポイントか。
契約変更などは、変更してほしい内容を3点程度に絞って、わかりやすく伝える。
あとは、相手側の反応を見るしかありません。
交渉が継続せず流れる可能性も高い。
しかし、可能性があるなら交渉したい。
そんなときの交渉パターンです。
先程のピクサー事例ですが、これはピクサーの財務状況から見て契約変更以外に財務を健全化する手段がなかったので不利な立場にも関わらず交渉へ向かったのです。
他の選択肢は最初の契約内容が完了するのを待つしかなかった。(8年間程度かかってしまう内容だった)
時間をかけて完了を待つか、交渉して早期に健全化させるか。
選択肢が限られていたので交渉を選んだのです。
まとめ
不利な立場で交渉する必要はありません。
負ける可能性が高いからです。
しかし、状況によっては選択肢のひとつとして不利な交渉にチャレンジすることもあるのです。
そんなときは、事前の準備が欠かせません。
不利といっても様々な状況があります。
どのように不利なのか。
何が弱いのか。
どの主導権を握られているのか。
そんな内容を書き出しながらまとめていく作業です。
今回取り上げたピクサー事例は書籍に具体的内容が書かれてあります。
不利な立場からの交渉について知りたい方にはおすすめです。
こうした内容の書籍はなかなか見当たらないと思います。
PIXAR 〈ピクサー〉 世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話
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交渉ごとは経験値が左右すると言われますが、経験が少ない場合は経験値が多い人から助言をもらうことをおすすめします。
なぜなら、交渉は相手が出せるカードを読み解く作業だからです。
相手が出せるカードをすべて読み取ることができれば交渉は優位に進めることができるのです。
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