fjコンサルタンツ 経営情報Blog

〜隠れた事実を見抜き、現場を変え、経営の壁を超える。経営者の思考法 経営の展開図を公開〜

どの業界でも同じことは発生する

fjconsultants Blog:4,648投稿目 fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆

調査結果が出ました

2021年6月に発覚した不祥事。
三菱電機の鉄道車両向け空調装置の不正検査。
35年間以上続いていた、と報道されました。
その調査結果が公開されています。

当社における品質不適切行も為に関する調査結果について

https://www.mitsubishielectric.co.jp/news/2021/pdf/1001-b2.pdf (要約版)
https://www.mitsubishielectric.co.jp/news/2021/pdf/1001-b3.pdf

他の不祥事の件も含めて社内で一斉に調査をされています。
電子メールなどのデータを361万件以上の調査。
フォレンジック調査も行っています。

フォレンジック調査
電子的記録(デジタルデータ)を収集・分析し、犯罪調査や法的紛争における法的に有効な証拠資料の収集や分析を行う技術や手法の総称。 特に不正アクセス、情報漏洩等のIT関連犯罪では、容疑者のコンピュータやHDD、携帯電話など各種デジタル機器を押収して証拠となるファイルを検出した り、意図的に消去、破壊された記録を復元したり、サーバのログから不正アクセス記録を取得したりする。

https://www.fss.jp/%E7%94%A8%E8%AA%9E%E8%A7%A3%E8%AA%AC/

消去された電子データも復元して調査する手法です。
徹底的に調査する形を選択しているのがわかります。
他にも全従業員を対象としたアンケート調査も行われており大規模な調査だとわかります。

経営に携わる人は

報告書は長文ですが、経営に携わる人は見ておくべきなのではないでしょうか。
というのも、このようなリアルな情報はなかなか公開されることはありません。

いくつかピックアップしておきます。
↓現場の状況です。

長崎製作所の従業員は、実質的に品質さえ良ければ問題ないとして、顧客の要求仕様との整合性にはあまり注意を向けることがなかった。

https://www.mitsubishielectric.co.jp/news/2021/pdf/1001-b2.pdf

↓実際に行われていた検査基準の解釈です。

長崎製作所の品質管理課では、算出された冷房能力が定格冷房能力の 95%以上 100%未満であった
場合にも合格としていた。検査成績書については、品質管理課が 100%以上の数値を記載していた

https://www.mitsubishielectric.co.jp/news/2021/pdf/1001-b3.pdf

なぜ、このようなことになったのか。
現場の感覚は次のような内容だったのです。

「5%程度の差は、体感できるものではないと判断していた。」 (P.245)

https://www.mitsubishielectric.co.jp/news/2021/pdf/1001-b3.pdf

↓品質については会社として研修は行われていました。

2015 年度以前からの取組状況
三菱電機においては、毎年 11 月を品質月間とし、社長メッセージを発出するほか、全従
業員向けに品質保証に関する研修を e-ラーニングで実施してきた。同研修では、三菱電
機における 4 つの基本理念の再確認73や、品質をより良くするための方法等に関する教育を
行っている。
また、上記のほか、人事部が実施している年代別の研修、「MELCO ゼミナール」と呼ばれ
る研修や「品質塾」とよばれる課長候補の従業員が受講する研修等においても、品質に関す
る科目が準備されている。

https://www.mitsubishielectric.co.jp/news/2021/pdf/1001-b3.pdf

↓品質不正の理由がリアルな声で掲載されています。
ほんの一部でしょうが本音だと感じます。

1980 年代から品質不正が行われており、当該事実は、長崎製作所の相当数の従業員が認識していたが、内部通報されるには至っていない。
その理由・・・

「長年続く不正であり、発覚すると大変な問題になるため、怖くて言えなかった。設計の担当者は、顧客と直接接するため、顧客に責められると考えた。」

「防水試験はやってもいないのに検査成績書に『良』と記載されており、言い訳できないと思っていたし、冷房能力試験は、換算とは言っているが怪しいと思っていたが、ヘタに突っ込むと、生産が成り立たなくなるかもしれないため、換算の具体的な内容は確認しなかった。」

「防水試験の不実施は『限りなくグレー』と思っていたが、JIS 規格を確認するなどの深掘りをしなかった。それは、設計の仕事の負荷があまりに高く、考えたり、踏み込む時間がなかったことと、問題提起をしたら自分の仕事が増えるためであった。」

「長崎製作所には、『言ったもん負け』の文化のようなものがある。改善を提案すると、言い出した者が取りまとめになり、業務量の調整もしてもらえないので、単純に仕事が増える。」

などと述べている。(P.231)

https://www.mitsubishielectric.co.jp/news/2021/pdf/1001-b3.pdf 

まとめ

品質に関しては製造業に限らず他の業界でも同じです。
何かを優先するがために品質をおろそかにする。
正しいことを言えない風土。
どこでも発生する内容だと感じます。

藤原毅芳写真
この投稿記事を書いたのは経営コンサルタント  藤原毅芳 fujiwara takeyoshi (fjconsultants)
1971年生まれ 鎌倉市在住 fjコンサルタンツ代表 一般社団法人暮らし振興支援機構理事 単著8冊、監修1冊、海外翻訳出版1冊、講師として宣伝会議の『マーケターのためのPDCA実践講座』などで継続的高評価を受けている。2021年大手都市銀行シンクタンクの法人会員限定雑誌に『売れる仕組み〜マーケティングの基本』を執筆。『この世に残るべき企業を支援する』を軸とした考えで経営の現場で課題をスピード解決し企業を発展させている。公式Webサイトhttps://www.fujiwaratakeyoshi.jp/