地位財とは

人は他人との比較に悩み、他人との比較で満足する。
この原則から逃れられないのが現代なのかもしれません。
この他人との比較によって満足が得られる財を「地位財」と呼んでいます。
逆に他人との比較とは関係なく満足が得られる財を「非地位財」と呼ばれています。
ロバート・フランク氏が命名した言葉です。

経済学者で米コーネル大学教授のロバート・フランクは、
他人との比較によって満足が得られる財を「地位財」、
他人との比較とは関係なく満足が得られる財を「非地位財」と定義しました。

https://toyokeizai.net/articles/-/352810?page=4

地位財の行き先

地位財を求め高級品を購入する人も存在しているのは実感するところではないでしょうか。
高級品はブランドのコンセプトや価値観を共感し、所有することで賛同する人もいます。
しかし地位財として購入する人もいるのです。
手に入れることによって他人と比較した場合、満足が得られるからです。
所有するものによって競争している感じです。
競争が激化すると負けず嫌いな人は次々と買い替えていきます。
最終的には破産するまで地位財を求める人も間接的に見てきました。
地位財による満足は単なる比較なので終わることがないのです。
(地位財を求めると究極は世界一まで追求しなければならないので)
果てしなき地位財の追求をしてしまうのです。

この果てしなき地位財の追求は特定のモノに限られてきます。
破産まで地位財の追求が止まらないモノは男性だと自動車と腕時計。
この2点は要注意です。

非地位財とは

地位財とは反対の非地位財は個人的に満足できる財です。
他人との比較ではありません。
なので幅広い非地位財があります。
中には形のない財も含んで語られることもあります。
他人との比較ではなく、自分自身が満足する財なので何でも良いのです。
自分の中に満足感を得られるモノは何ですか。
必ずあるのではないでしょうか。
他人に語る必要もない領域なので他人が知らないこともあるでしょう。

この非地位財で大きな満足を得られる人は他人との比較が少ないので浪費が少ないと言われています。
資産を増やすタイプの方は非地位財で満足を得られる人が多いとも言われています。
他人との比較競争に加わらなければ、本当に欲しいわけでもない商品を無理に買うこともなくなるのがその理由です。
ある意味、真理です。

まとめ

仕事、ビジネスは他社との競い合いであり、他社との比較かもしれません。
しかし、すべて他社との競争原理や比較論で片付けられるわけでもありません。
この矛盾するようなことを成立させていくのが今後の経営です。
そこで次のようなことをいつも考えています。
他社との比較で満足するのではなく、顧客に選ばれることだけが満足と定義する。
どのような顧客に高い満足度を得てもらい、継続的な関係を構築できるのか。
そこにこだわっていくことだと思います。

幸せとお金の経済学

Robert H. Frank

https://en.wikipedia.org/wiki/Robert_H._Frank

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ビジネスリーダーのためのWeb Magazine ファースト・ジャッジ:4,781投稿目 fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆