売れていた不動産が

不動産の動きが二極化しています。中古物件は売れているエリアの話も聞いていました。しかし、急に売れなくなっている物件の話も聞くようになったのです。よく見ると原因がわかります。

中古物件の不動産(戸建中古、マンション中古)は供給に制限があります。そのため需要が上回れば価格は上がっていきます。しかし、最近は需要の値上がりではなくリフォームなどの原価アップによって値上げ状態になっていました。それでも需要が上回れば売れていたのです。しかし、需要が下がると残ります。特に中古物件をフルリノベーションして販売するリノベ中古は価格設定に失敗し残っているようです。

まわりの判断できる物件について調査してみましたが、やはり価格が高騰しています。たとえばこのような感じです。

  • リノベーション済み中古マンション:2500万円前後の価格帯が3000万円前後に価格移動

材料が2割増なので新築の価格は2割アップしているという話は直接聞いていますが、このリノベ中古マンションも同じような価格アップになっているのです。しかし、冷静に見れば、この価格帯で希望している顧客層が購入決定を先延ばしにすれば販売は低下。次の売れるタイミングは住宅ローンの金利が急にアップしたときではないでしょうか。

平均値ではわからない

不動産の状況は平均値ではつかみきれない部分があります。平均単価が上がっている、下がっているのはわかりますが、あくまでも平均値。購入希望の顧客が動いているのかが実はポイントです。動きを知っているのは不動産会社のはずですが、最近は特定の会社にこうした情報が集中しています。不動産情報をオンラインで発信している企業に購入前の顧客動向情報が集中しているのが現在の特徴です。ということは、顧客動向情報を握ることができない企業はただ待つだけになってしまいます。

この10年を振り返ると

不動産価格の推移を振り返ると次の資料にあるように動いています。特にマンション価格は10年前の2倍近いところまで上昇しているのがわかります。マンションだけ他と違う値動きだったのです。マンション販売が強気の価格帯になっているのも理解できます。しかし、それも過去のことになるかもしれません。

不動産価格指標住宅202206
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001514713.pdf

まとめ

価格変動は気になりますが、売れ行きまで確認しなければ次の予測ができません。消費マインドは急に変化するので確認しておく必要があるのです。消費マインドが反転したり、動きやすい時期に入ると不動産価格も乱高下していくでしょう。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆