国内回帰の流れ

生産や設計を海外から国内へ戻す動きが目立ってきました。国内回帰です。単にコスト計算すると国内生産の方がコストが安いので採算を考えると国内を選択する動きです。国内生産の方がコストが安い理由は、海外の値上がり(インフレ)が要因です。日本だけ値上がり率が海外と比較すると少ないと判断されているのです。あと為替の影響も無視できません。1年前(2022年)から円安になり、そのまま継続中。コスト計算すると海外メリットは減少したままなのです。

KYB、車部品生産国内回帰
日本精機はソフト設計移管、際立つ日本の低賃金

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO68631720Q3A220C2TB0000/

国内回帰だから

国内回帰の流れが加速すると、当然ですが国内への設備投資も増えます。実際に2022年度の設備投資計画額は前年比で20%増(製造業)となっています。(日銀短観2022年12月調査 https://www.boj.or.jp/statistics/tk/index.htm )
規模別の設備投資計画額前年比は
・大企業:21%増
・中堅企業:27%増
・中小企業:11%増
となっています。2021年度と比較すれば大きな増加です。

設備投資計画等202212
https://www.boj.or.jp/statistics/tk/gaiyo/2021/tka2212.pdf

海外からの調達も国内へ

海外調達の割合も今後は国内調達へと切り替わるところが出てきます。2022年の春には中国の上海ロックダウンがありました。この影響はとても大きくダメージを負った企業の話は聞いていました。そんな経験をすると、リスク回避を考えるのが普通です。為替問題、人件費高騰など他の要因も重なっており、調達先を変更する企業が出ているのです。調達先を国内に切り替える動きはコロナ禍前から見かけましたが現在は加速しているのを感じます。

まとめ

要因が重なると決断はどの企業も似てきます。流れが加速する感じです。初動は2022年9月「海外工場を国内へ回帰」という投稿をしております。それから半年後の今はデータとして結果が出ているのです。今後も国内回帰の流れは継続するでしょう。

——————————-
スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆