実験週休3日制

会社の休日日数は今後増加していくのではないか、と以前取り上げたことがあります。総労働時間数はさほど変わらず休日日数を増やす方向へ向かうのではないかという予測です。それを裏付けるような実験結果が海外で出ています。

実験を行ったのは英国の61社(2900人対象)です。週休3日制の実験を行ったのです。2022年に6ヶ月間実験を行いました。途中で停止した企業は3社のみ。ほとんどは週休3日制を支持したのです。1/3の企業は今後も継続的に週休3日制を採用する準備があると答えています。

参加された方のアンケートでは

  • ストレス減少:39%
  • バーンアウト(燃え尽き感)減少:71%
  • 睡眠障害減少:40%

となっており、減少割合が大きい結果となりました。結果がこれほど減少したので、売上増加、離職率減少のために週休3日を採用したいと考える企業が増えた結果となったのです。

週休2日制に戻る企業ほとんどなし – Bloomberg

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-02-21/RQESWET0AFB401

週4日勤務

今回の実験結果に関してボストンカレッジの社会学者Juliet Schor氏は「週4日勤務のケース」についてTEDで講演しています。講演概要を直訳すると
「従来の働き方を見直す必要があると言います。彼女は米国やアイルランドなどで週4日労働の試行を主導しており、これまでのところ、雇用者と顧客の満足度の向上、収益の増加、離職率の低下など、圧倒的にポジティブな結果が得られています。Schor氏は、週4日、32時間労働(有給は5日)を提唱し、この未来の労働モデルが燃え尽き症候群や気候危機などの大きな課題にいかに対処できるかを説明し、それを実現するために企業や政府がいかに協力できるかを伝えています。」
となっています。この講演の中のスライドでは、1人あたりの労働時間が短い方が生産性が高いという結果についても説明がされていました。とにかく短い労働時間の方が結果が良いことを伝えています。

The case for a 4-day work week

https://www.ted.com/talks/juliet_schor_the_case_for_a_4_day_work_week?subtitle=en

まとめ

では、この結果から週休3日制(週4日勤務)が良いと決めつけることができるのでしょうか。あくまでも、特定の企業群による結果だと感じます。雇用形態も給与や評価制度もちがう日本ではそのまま導入できないと考えています。あくまでも事前の年間計画に対して個人が達成するという基本形が成立しなければ週休3日制にしても売上は落ちていくだけでしょう。成果と報酬の定義が欧米並みになれば導入できるタイミングが来ると思います。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆