会社とスタッフの関係性変化

会社とスタッフの関係性が変化している。そう実感している人もいるでしょう。急にベテランスタッフが辞めることも最近は頻出しております。待遇面で不満があるわけでもなく、なんとなく突然去っていく感じが特徴です。こうした感覚を実際の調査で調べた事例があります。米国の事例ですが取り上げてみます。

米国で1000人を対象にした調査。仕事としてパソコンに向かって仕事をする人たち。2023年1月調査です。結果はこんな感じです。

  • 会社に信頼されていないと感じたので辞めた、もしくは、そう感じたら辞める:77%
  • 会社に対して不信感を抱いたことがある:74%
  • 上司によって業務を常に監視され、詳細にわたって口出しされることによって信頼の欠如を感じている:57%
  • 会社に信頼されていると感じる時は?→決裁権などの自律性を与えられていること:67%

変容する会社と社員の信頼関係〜その危機と解決へのヒント〜

https://www.mmhmm.app/ja/blog/truth-and-trust-at-work-2023-jp

米国事例なので日本に当てはなるのかはわかりません。しかし、分断、孤立が発生した部署は上記のアンケート結果が理解できるのではないでしょうか。疑心暗鬼になってしまうのも環境要因の場合もあるからです。接触頻度が下がればだれでも信頼が減っていき、不信感が増大するからです。また、離れていたり、会話回数が減れば減るほど、細かく口出しするリーダーも増えたのではないでしょうか。

「マイクロマネジメント」

デジタル化によって個人の仕事内容が可視化されています。個人の仕事内容が詳細が社内公開されるようになりました。そうなると、人によっては常に監視されている感じがします。細かく指示される回数も以前よりは増えており、受け入れられない人もいるのです。

このような細かい関わり方を「マイクロマネジメント」と呼んでいます。マイクロマネジメント自体を否定的にとらえる人もいますが、ケースバイケース。ときには必要な場面も生じます。自分たちだけで損益分岐点を超えられない部署は「マイクロマネジメント」が不可欠の場合があるからです。

スポーツなら映像分析、デジタル解析によって成績を上げていきます。やっていることはマイクロマネジメントと同じです。しかし、スポーツのように向上心のある方ばかりなら問題ないのですが、ビジネスの現場ではそうではありません。自分の手法に固執したり、自分がやっていることを見せなかったり、ごまかしたりします。ただ、それもあと数年でしょう。次のステップは公開性であり透明性になるからです。

まとめ

分断後遺症に悩む企業があります。信頼感の欠如が組織内で蔓延しているのです。それも表面的には普通に会話しているので見抜けないときもあります。それを解消するにはリーダーのから積極的に関わっていくことです。しかし、リーダーも自分に甘くなってしまった人もいるので振り返ってほしいと感じます。リーダーが確立した存在でなければチームがひとつになることはありません。ひとつにならなければ将来を考えることもできません。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆